市指定有形文化財の花雲亭(石田町石田西触)で1月25日、長崎市の大塚光代さんが社中の新年初釜を行った。
勝本浦出身の大塚さんは、同浦で町並み保存されている旧松本薬局で表千家の茶道教室を毎月開いており、壱岐商業高校生徒の茶道指導も行っている。
初釜では、壱岐の蔵酒造・原田頴一社長ら客を、ドラの合図で別棟から茶室へ招き入れ、濃茶点前、薄茶点前が振る舞われ、茶会終了後は弁天層で懇親会が行われた。
花雲亭は久邇宮邦彦
王妃・俔子から熊本利平氏が昭和17年10月に下賜され、碧雲荘に移築された寝殿造りを基本にした茶室で、市教育委員会が管理をしているが、手入れが行き届かないため関係者で大切に使ってもらえれば、と今回貸し出されたもの。弁天荘の庭園にも茶室があるが、12年前から使用されておらず、関係者は「2つの茶室を利用しながら維持できないか」と模索している。