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「新庁舎は極力スリム化」 ゲートボール場移設試算3・3億円 第2回庁舎建設特別委員会

庁舎委員会(答弁する白川市長)第2回市議会庁舎建設特別委員会(鵜瀬和博委員長、15人)が16日、市議会議場で開かれ、昨年12月19日に白川博一市長が表明した大谷公園ゲートボール場付近を建設候補地とする案などについて、質疑が行われた。白川市長は候補地に含まれる私有地の買収、那賀中学校グラウンド跡地への移転・新設を想定している全天候型ゲートボール場などの構想を語り、同候補地での建設に強い意欲を示した。第3回は30日に開催し、建設場所について集中的に議論する。第2回委員会の主な質疑は次の通り。
▼土谷勇二議員 通常、家を建てようとする時は、まず予算を考えるもの。場所や中身を議論する前に、予算の上限を決めるべき。
▽市長 まさにそのようなことを委員会で一緒に考えていきたい。一応は、答申された最高額の31億9百万円(木造構造)を限度額と考えているが、委員の中にはショッピングモールやコミュニティセンターの併設をするべきとの意見もあり、そうなるとこの金額で収まらない。私は極力スリム化したいと思っている。
▼土谷 大谷の職業訓練校を郷ノ浦庁舎に移転させるとのプランだが、その場合の耐震・長寿命化工事や維持管理費はどのような負担になるのか。
▽市長 現4庁舎は有効活用を基本に考えている。郷ノ浦庁舎は他に観光連盟、自衛隊壱岐駐在員事務所など、勝本庁舎はJAなど、石田庁舎は社会福祉協議会などへの賃借が考えられるし、他の団体への譲渡が実現するかもしれない。耐震診断は市の責任で行う必要があるが、その結果次第で、耐震工事などは貸借した団体と費用などについて協議する必要がある。
▼土谷 8か所の地区事務所の機能を存続して欲しい。
▽市長 地区事務所は原則、廃止を考えている。証明書の発行は郵便局など委託したい。だが地区事務所の中には保育園と併設しているなどの場所もあり、個別に考えていかなければならない。住民サービスの低下を招かないように配慮する。
▼田原輝男議員 大谷公園の建設予定地にある私有地はどうするのか。
▽市長 壱岐縫製には、この提案をした時点で、話をしている。できる限り協力するとの話だった。壱岐縫製がだめなら壱岐工芸の土地があり、どちらか一方を考えている。北側のもう1か所についてはまだ考えていないが、利便性の向上につながるのならお願いしようと思う。
▼田原 ゲートボール場は那賀中跡地へ移転するプランだが、郷ノ浦町の協会は日常の手入れができる場所にコートが必要だと要望している。
▽市長 鯨伏地区も特養が建つので代替のゲートボール場が必要であり、全市的に集約して全天候型を建設するのが望ましい。大きな大会を開催できるように、全天候型8面、屋外4面の計12面が取れる多目的施設の建設を考えている。郷ノ浦の協会とは話し合いをしたい。
▼田原 合併算定替が終了し、市財政が厳しくなる。庁舎建設によって税金が上がることは本当にないのか。
▽市長 算定替えは見直しが進んでいる。地方債の残高も確実に減っている。これまでも標準税率を超えた課税をしたことがないし、今後も断じてない。
▼今西菊乃議員 国道からの道路の拡張が必要になるのでは。
▽市長 周辺道路の整備は必要になると思っている。
▼今西 庁舎の建設によって人の流れが変わる。商工会などと相談して、ショッピングモールや市民が集える場所を併設するべき。
▽市長 ショッピングセンターのような大型プロジェクトとなると、大きな財源が必要になるし、合併特例債の期限までに建設が難しくなる。市民は財政に不安を抱いているのだから、極力スリム化し、身の丈に合った建設を行うべきだと私は思っている。商店街にはコミュニティバスの活用で行きやすくしたい。市民が気軽に訪れることができる交流スペースは必要だ。
▼赤木貴尚議員 旧庁舎の耐震工事、解体などの費用はどのように捻出するのか。
▽市長 解体の場合は除却債の活用が考えられ、費用の75%が上限となる。ただし70%が普通交付税で戻る合併特例債のような制度ではないため、より有効な財源を見つけ出したい。耐震工事は合併特例債の活用を考えている。
▼赤木 ゲートボール場の移転費用はどの程度になるのか。
▽市長 国交省の予算単価から計算すると、8面の全天候型で約3・3億円程度となる。合併特例債か過疎債の活用を考えている。
▼牧永護議員 市長は庁舎建設についてケーブルテレビで説明したと強調しているが、市民と顔を突き合わせて話すべき。
▽市長 市から説明会を行う予定はないが、公民館などから要望があれば説明に伺う。公民館長に文書を配布したい。
▼牧永 4庁舎の耐震工事に3・5億円、長寿命化工事に16・5億円という試算は正しいのか。
▽市長 あくまでも他の事例を参考にした概算である。まずは新年度早々に耐震診断を行う必要がある。
▼豊坂敏文議員 壱岐振興局とのワンフロア化は検討しているのか。官公庁の一体化という観点から、振興局などの建物は活用できないのか。
▽市長 すでに石田庁舎でワンフロア化している水産課は引き続き執務室の共同化を続けていくつもりだが、建設課などはIT機器が動かせないことなどの理由で考えていなかった。協議が必要だと認識した。振興局は耐震工事が行われているが、長寿命化工事は行われていない。本庁舎は昭和44年建設で、駐車場などの課題もある。県との協議も必要だ。
▼中田恭一議員 地方自治法第4条の「他の官公署との位置」を重視するのであれば、なぜ最初の庁舎建設検討委員会(菊森委員会)の時からその話をしなかったのか。
▽市長 菊森委員長は雲仙市役所の建設委員長を務めるなど行政のプロであり、当然、地方自治法についても熟知しているはず。委員会の答申は個人の見解ではなく、委員会の総意として提出されたものだ。
▼中田 新庁舎の建設費用以外に、道路拡張、ゲートボール場移転など、総額でいったいどれくらいかかるのか。
▼呼子好議員 新庁舎建設による事務の効率化と、公立病院跡地についての資料を文書で示して欲しい。
▽市長 次回の委員会で資料を提出する。

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