三島小学校(大堀隆智校長、17人)の「水産教室」が5月30日に郷ノ浦長大島の壱岐栽培センターで行われ、同センター、壱岐振興局水産課、市水産課の職員らが講師を務めた。
児童らは壱岐の漁業の現状と、同センターが取り組んでいるアワビ、ウニ、カサゴの養殖について講義を受けた。カサゴの養殖については「卵胎生のカサゴでも、自然界では100匹が生まれても、途中で大きな魚に食べられてしまい、大人になれるのは1~2匹だけ。でも養殖で大きくなってから放流すると60%程度が大人になることができます」と説明を受けた。
また「クロアワビは11㌢以上にならなければ漁獲しないことを決めているが、その大きさになるには5年もかかります。アカウニも漁獲できる5㌢(トゲを除いた大きさ)になるには3年かかるのです」と養殖を行っても漁獲までには時間がかかることなどを勉強した。
その後はセンター内を見学。養殖中のアワビ、カサゴへの餌やり体験、ウニ幼生の顕微鏡観察などを行い、最後に船で湾内に出て、養殖で5㌢以上に成長したカサゴを放流した。3年後くらいに漁獲の対象となる。
放流するカサゴに「バイバイ、大きくなって帰って来るんだよ」と声を掛けた久間海翔さん(大島本校3年)は「餌やりが楽しかった。アワビは貝なのに、餌をやるとちゃんと食べるのに驚きました」と貴重な体験を楽しんだ。
松永悠佑さん(原島分校5年)は「魚の養殖には多くの人が関わっていて、すごく時間のかかることだと知りました。放流したカサゴが無事に大きくなってくれるとうれしいです」と話した。
大堀校長は「三島小の児童はこの水産教室を6年間受けます。その体験を通じて命の大切さと、魚介類に対しての感謝の気持ちをじっくりと育んで、心の花を咲かせてもらいたいと思っています」と子どもたちの心の成長に期待をしている。