県離島留学制度を活用した壱岐高校(鶴田勝也好調、481人)の東アジア歴史・中国語コース中国語専攻の生徒が、5月24日に北九州市立大で開催された2014年度五星奨‐中国語コンテスト(日本・五星奨‐中国語教育推進会、北九州市立大・中国言語文化研究会主催)の暗誦部門で6年連続1位となった。今回は高校生の暗誦部門、スピーチ部門とも壱岐高生徒のみの出場となったが、各部門3人、計6人の生徒は、審査委員を務めた中国駐福岡総領事館・丁剣(てい・けん)領事から絶賛される中国語を披露し、同コースの中国語教育のレベルの高さを示した。
暗誦部門第5部(九州各県、沖縄、山口県の高校生・専門学校生が対象)は指定された中国語の文章を正しい発音で暗誦するもの。1位の松本泰晟さん(2年=福岡県出身)は「梁山泊と祝英台」、2位三宅史也さん(2年=福岡県出身)と3位久保曜さん(3年=福岡県出身)は「牛郎と織女」を選択した。
松本さんは「当日まで、この部門に壱岐高以外からの出場がなかったことを知らなかったので、連覇を止めたら先輩たちに申し訳ないと思って、すごく緊張していた。ただ他校からの出場があったとしても、自信はあった。独特なイントネーションに気をつけて暗誦を行った」と優勝に胸を張った。2位の三宅さんも「練習の成果を存分に出せたと思う」と満足そうな表情を浮かべた。
スピーチ部門第2部(日本人高校生・一般専門学生が対象)は自らが作文した文章を発表。1位の松田脩生さん(3年=長崎市出身)は「私の挑戦」と題して、「中学の時に英語が苦手だったが、父から“英語は中国語と文法が似ている”と教わった。漢字を使用する中国語を学ぶことによって英語も上達できるかもしれないと思い、高校で中国語を勉強しようと決心した」という同コース入学の動機について発表した。
昨年は暗誦部門で2位だった松田さんは「スピーチ部門は自分の考えなので文章を覚えやすいが、分量が多いのは大変だった。中国語を学べる高校は少ないので、壱岐高に入学して本当に良かったと思っている。将来は上海外語大に進学したい」とさらに中国語を極める意気込みを語った。
2位末永大城さん(2年=勝本中学出身)は「先生との交流」のテーマで、昨夏に上海へ短期留学した際、「卓球をしていたらネットを持ってきてくれた親切な人がいて、一緒にプレーを楽しんだが、それが上海外語大の副事務長先生だった」というエピソードを披露。「3年生についていけるように必死に練習した。中国語を通して島外出身者と交流を持てることが、このコースの魅力」と語った。
同部門で昨年優勝の佐々木瑛里菜さん(3年=佐賀県出身)は今年は3位。「私の人生の目標」と題して、「中国語を勉強しようと思ったのは、世界中にいる華僑の人たちと交流することができれば世界中に友だちができ、貿易や産業で深い関係にある日本と中国の両国に貢献できる存在になれる」と連覇こそ逸したものの、大きな夢をスピーチした。
同コースは平成15年度に開設され、17年度は15人の入学者があり、18年度は3学年で計35人の規模となった。島内入学者も18年度に7人、22年度に6人おり、22年度までは島内・島外比率はほとんど差がなかった。だが23年度に初めて島内入学者が0となり、25、26年は総入学者数が3人と大幅に減少。現在は3年生6人、1、2年生各3人で計12人の在籍と減少が続いている。
「卒業生は指定校の上海外語大をはじめ、熊本大、長崎県立大、立命館大、関西大など、中国語や歴史学を活かした進路を選んでいます。壱岐高ならではの離島留学制度を、島内出身者にももっと活用してもらいたい」(中山淳教頭)と17日からは4町で島内説明会を実施する。
また9月後半からは計20回の地域開放講座を予定しており「小中学生だけでなく、一般の人たちにも、東アジア歴史・中国語コースを身近に感じてもらいたい」と同校では話している。
◆東アジア歴史・中国語コース島内説明会◆
6月17日(火):芦辺・クオリティライフセンターつばさ研修室
6月18日(水):石田・農村環境改善センター会議室
6月24日(火):郷ノ浦・文化ホール2F大会議室
6月25日(水):勝本・ふれあいセンターかざはやAVホール
※時間はいずれも午後7時から40分間、その後に個別面談を実施