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新市庁舎建設案を市民に説明 勝本30人、芦辺22人の参加 質疑応答で 様々な意見

庁舎説明会(住民説明会に出席した菊森会長(左)と長岡副会長)3月14日に白川博一市長へ答申された「壱岐市庁舎建設基本構想(案)」の内容説明会が、4月26日に勝本・かざはや、27日に芦辺・壱岐島開発総合センターで開催された。同案を作成した壱岐市庁舎建設検討委員会の菊森淳文会長・長岡信一副会長と、中原康壽副市長ら市担当者が出席し、市民に対して答申内容を説明、質疑応答を行った。説明会は同29日の郷ノ浦・壱岐文化ホール続いて、6日は石田・農村環境改善センターで実施される。
市庁舎建設は約30億円もの大型事業であり、移転となれば壱岐市の将来を大きく左右する重要な事案で、市民にとっても極めて関心が高いはずだが、会場は閑散としていた。
直前まで説明会開催が正式に告知されなかったことが影響したのか、26日のかざはや会場は30人、27日の壱岐島開発総合センター会場は22人と、140~180席が用意されたイスは空席ばかりが目立った。
同案についての説明は、3月19日の記者会見の内容と同じで、市民、行政、防災対策拠点の視点から「新庁舎については建設すべきである」と結論付けた。基本構造は鉄筋コンクリートとするが、地域のシンボル的施設としての効果、庁舎全体に木のぬくもりなど安らぎを与える空間の創出のため、内外装の仕上げ材、設備などに可能な限り木材を使用する「木質化」を目指す。県壱岐振興局との執務室の共同化を推進する。まちづくり、機能性・利便性、防災拠点、面積要件、財政面の5つの視点から、建設候補地として①勝本町立石東触亀石地区、②芦辺町旧那賀中学校跡地付近の2か所を選定したことなど、委員会の結論とその理由について説明した。
また菊森会長は「一部報道で、私が強引に結論を導き出したかのように報じられたが、そのような事実は一切ない。17人の委員が10回の会議で真剣な議論を行った結論である」と中傷した一部新聞報道に対して抗議をした。
市は「答申内容を尊重し、建設すべきだと判断しているが、市民に対してアンケート調査を行い、議会で活発な論議を行っていただき、平成26年12月までに方向性を決めたい。建設すべきという結論が得られた場合は、平成27年10月までに候補地の選定、市議会で事務所位置の変更に関する3分の2の同意を得て、基本計画・基本設計・実施設計に取り掛かる。合併特例債の期限である平成31年3月末までに完成させる」と今後の予定を明らかにした。
説明会に出席した市議会議員の1人は「議会としても、建設の是非から論議を行う必要があり、6月会議で特別委員会を設置することになるのではないか」と見通しを話した。
出席した市民からは活発な質問、意見が、委員会、市に対して寄せられた。2会場での主な質問と回答は以下の通り。
▽平成50年には壱岐市の人口は半分になると言われている。当然、職員数も大きく削減されるはずだが、構想案の規模は現職員数で計算されているのはどうしてなのか。
▼委員会 人口減は予想されるものの、一方で県からの権限委譲の可能性もあり、その変動に対応できるように計画した。基本計画・設計の段階で、その時点で明らかになった数字的な見直しを行うことになる。
▽“まちづくりの視点”とはどのような意味か。この2候補地が町作りの面でふさわしいとは思えない。
▼委員会 旧4町合併後の新たな市の象徴として、ふさわしい場所がどこなのか、どこに作るべきなのかという視点で、総合的に判断した。
▽合併時の協定項目に、「新庁舎を作る場合は亀石地区にする」と決まっていたはずだ。なぜ新たな候補地が出てくるのか。
▼市 協定項目を含めて、今回新たに委員会で議論をしていただいた。
▽UPZ30㌔と言うが、壱岐の場合、風が吹いたらどうなるのか判らない。この2候補地は30㌔圏外かもしれないが、島外避難の場合に港から遠いし、警察からも離れてしまう。
▼委員会 もちろん30㌔以上だから安心ということではないが、国の決めた目安に対応して、可能な限りの防災計画を立てることが自治体の役割だ。
▽この説明会は公聴会なのか。それにしては出席人数が少ない。アンケート調査はどのように行うのか。回答の過半数を尊重するのか。アンケートを行う前に、構想案についてもっと周知が必要なのではないか。
▼市 アンケートは自治公民館を通して、用紙を全世帯に配布する。建設の賛否とその理由、基本構想案についての意見を聞く。その結果を受けて市、議会が判断することになると思う。基本構想案については、記者会見の様子をケーブルテレビで放送している。また各庁舎で概要版を閲覧することができる。十分に周知を行ってからアンケートを実施したい。

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