地域情報

木桶の蓋から古文書。明治の生活色濃く。重家酒造。

重家酒造株式会社(横山雄三代表取締役社長)で、明治時代のものと思われる古文書の切れ端15枚が見つかった。

昨年夏、蔵人が同社の倉庫を整理した際、長年使っていなかった木桶の蓋に、隙間を埋めるように、折り曲げられた和紙が張り付けられているのを見つけた。紙には筆で書かれた文字があったが、解読できなかった。

古文書輪読会代表で、歴史に詳しい山西實さん(84)によると、文書は明治時代のものとみられ、焼酎の“ツケ”払いの台帳や地域で積み立てた「無尽(むじん)」を記したものだった。

無尽は室町時代からある風習で、互助的な金融組合。組合員が掛け金を積み立て、抽選や入札で所定の金額を組合員に順次融通していた。給付された現金は、伊勢参りや結婚式で使うお膳を買うために使われた。無尽のほか「伊勢講」や「頼母子(たのもし)講」と呼ばれたという。

文書には「金七円七拾銭 長太郎無尽万造ニ当ル」や「一、酒半合代拾五文」、「五十五文かし 九月十三日呑口分」など当時の島民の息使いが色濃く残っている。

山西さんは「昔、文書を書いた和紙はふすまの下張りに使われたり、家の建て替えの時に処分されたりして、今ではなかなか見ないもの」と話した。

横山社長(52)は「紙は貴重なもので、身の回りにある物を工夫して利用していたのだと改めためて思う。無尽は20年ほど前まであり、助け合いが行われていた」と懐かしんだ。

見つかった古文書を見る横山社長

関連記事

  1. 八幡児童館で閉館行事 風船に恒久平和託す
  2. 壱岐の観光・歴史を視察。博多女子高生徒12人が来島。
  3. 「救える命救いたい」 小野ヤーナさんら別府市へ受け入れ支援 市P…
  4. 相次ぐイルカの死亡原因究明へ イルカパーク管理・環境等検討委員会…
  5. 上空30㍍から吊り上げ 防災ヘリで救助訓練
  6. 学校薬剤師、本田さん講演など 第72回市学校保健研究協議大会
  7. 無人島・妻ヶ島が蘇る。サバイバルキャンプの聖地へ。8月から利用開…
  8. 壱岐産品詰め合わせを発送。ふるさと商社は販売重点。

おすすめ記事

  1. ウニや海藻の生態、ホンモノで学び 公民館教室で初の海洋教室
  2. 世界とKANPAIフェス 壱岐焼酎産地指定30周年記念
  3. 俳句ポストに約1400句 壱岐文化協会が特選作品を表彰

歴史・自然

PAGE TOP