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20155/19

社説 住民投票が残した意義は大きい

1日に開かれた市議会庁舎建設特別委員会で、新庁舎建設案は正式に取り下げられた。条例制定時の公約通り、市は民意に無条件で従ったわけだが、これで庁舎問題が終わったわけではない。むしろ、これからが本格的なスタートとなる。
現4庁舎の耐震・長寿命化工事を行い、少なくとも20年間程度は使い続けていくことになるが、その費用は20億円程度が試算されている。新庁舎建設に比べて、合併特例債は10億円程度が残るが、漏水が深刻な水道管の工事などインフラ整備に使用して満額の借金を作るのか、市民から多くの意見があった「有利な起債でも借金には変わりない」という考えに基づいて極力使用しないようにするのか、その判断も大きく分かれることだろう。
市防災計画では、一般災害時には郷ノ浦庁舎が、原子力災害時には勝本庁舎が「防災拠点」となるが、防災拠点にはIs値0・9以上が望ましいとの国の指針が出されている。原子力防災拠点には高い密閉性も求められる。耐震・長寿命化工事によって耐震性、密閉性をそのレベルまで高めることができるかどうかも非常に微妙であり、壱岐市は市民の安全安心の支えとなる防災拠点を持たないまま、今後の災害に備えなければならない可能性もある。
約20年後に今回整備する4庁舎が寿命を迎えるとすれば、いまからその準備も必要になる。4庁舎すべてを建て替えることは財政的に実質不可能。1庁舎だけ建てるにしても、毎年1億円以上の積み立てが必要であり、その分だけ予算が削られ、市民生活に影響が出るかもしれない。
住民投票は市民の意思を直接市政に反映させるために、重要な役割を果たす制度である。一方で、それだけ市民の責任もより顕在化される。市と市民による「協働」が市政運営には重要だと言われているが、通常はなかなかこの「協働」を意識する機会が少ない。だが今回は否応なしに「協働」でこの問題を乗り切らなくてはならない。その意味でも、住民投票の意義は大きなものがあった。

 




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