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壱岐に初の「海の駅」 湯本に「湯がっぱ」オープン 地元有志が 手作り運営

湯がっぱ(「海の駅」認定証が交付) 壱岐初の「海の駅」となる「いき 湯がっぱ 海の駅」(湯本きばろう会運営)が勝本町湯本浦に11月26日、オープンした。平成21年に廃止となった「おさかなセンター」を改装。海産物・名産品の販売、観光案内所の設置、体験型プログラムの提供、船舶係留施設の確保などを行い、全国155か所目、九州21か所目、長崎県では7か所目となる「海の駅」認定を受けた。地元住民が企画・運営する海の駅、という試みは全国的にも珍しく注目されており、「湯がっぱ」を拠点とした地域再生の期待が掛かる。
オープン記念式典で海のエキネットワーク・佐々木勝吉理事長から「認定証」が、国交省九州運輸局海事振興部船舶産業課・松尾裕課長補佐から「看板」が授与され、正式に国交省に登録された「海の駅」と認定。鯨伏小5年生12人と湯本きばろう会・原英治会長(58)がテープカットを行った。
原会長は「観光客の減少、サンドームの閉鎖などで元気を失ってきている湯本地区を、行政に全面的に頼るのではなく、自分たちでできることは自分たちでする、という精神で、本職を別に持つ地元の若者ら30人が立ち上がった。手作りの小さな施設ですが、地元ならではの温かいおもてなしで、憩いの場としたい」と話した。
湯がっぱ(来客者が手作りする「ぎょぎょ丼」) 「海の駅」として認定されるためには①誰でも利用できる船舶係留施設②施設の予約受け付け案内担当者の設置③公衆便所の設置、の3条件が必須となっており、係留施設は地元漁協と交渉して2隻分を確保。プレジャーボートなどが自由に立ち寄れ、給油所、給水所の利用も可能。郷ノ浦、芦辺、印通寺港に続く島内4か所目の海の玄関口となった。
案内担当者は「観光コンシェルジュ」として扇谷茉衣さん(●)が常勤して、魚釣り、ノルディックウォーク、魚肉ウインナー作りなどの体験プログラムの手配、立ち寄り湯や飲食店の紹介など湯本地区だけでなく、壱岐全体の観光案内もを行う。扇谷さんはデザイナーとして東京で働いていた経験を持ち、「都会の若い女性の目線で、壱岐の良さを伝えたい」と話している。
体験プログラムの目玉となるのが「ギョギョ丼作り体験」。その日に水揚げされた新鮮な魚を、料理人の指導で観光客自らがさばいて、特製のタレに漬け込んだ「漬け」と天ぷらを作って丼に盛り、施設内で試食することができる。壱岐ならでは「漁師飯」は新たな名物となりそうだ。各種体験はいずれも事前予約制となっている。

湯がっぱ(大漁旗が掲げられた店内) 全国に千か所以上設置されている「道の駅」は、壱岐でも同様施設を建設する委員会が設置されたものの、会議は行われておらず、計画は進んでいない。地元住民による手作りの「海の駅」が、観光立島・壱岐の起爆剤となる期待も大きい。
◆「いき 湯がっぱ 海の駅」 愛称は「海の駅湯がっぱ」。地元に古くからある「かっぱ伝説」から命名。総事業費は2405万円で、農水省「都市農村共生・対流総合対策交付金事業」(26年度から3年間)から2350万円を活用。午前9時半から午後5時半まで営業。水・木曜定休。

湯がっぱ(湯本温泉にオープンした海の駅「湯がっぱ」)

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