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どうぶつ基金が市に協力要請 篠原市長「一緒にやっていきたい」

 犬や猫の殺処分ゼロの実現を目指す公益財団法人どうぶつ基金(兵庫県芦屋市、佐上邦久理事長)は、壱岐市と共同で12月から3月まで「イキイキさくらねこTNR大作戦」として、不妊去勢手術を実施する。
壱岐市は2022年7月、同基金の「さくらねこ無料不妊手術事業」に参加し、同基金が発行する無料チケットを使って野良猫の不妊去勢手術に取り組んできた。
しかし、市内の動物病院で無料チケットを受け入れることが難しく、福岡の動物病院に猫を運ぶしかない現状を踏まえ、市は同基金に一斉手術を要請。9月に同基金から派遣を受けた獣医師がスペイカーで来島し、野良猫や多頭飼育の猫119頭に手術を施した。
その際、佐上理事長は篠原一生市長を表敬し、「継続して獣医を送る準備がある。市も市民もボランティアの方も一体となって進めていただきたい。1千頭くらいを目標に(手術を)やっていきたい」と更なる協力を申し出ていた。
今回は3月まで月に1回4日間の日程で来島し、計400~500頭を手術する計画。
12月は18~21日、石田町山崎触の山崎地区漁民センター前に駐車したスペイカー内で手術が行われ、計120頭の猫に手術が施された。ボランティア団体のメンバーや市の担当職員が、捕獲機の設置から、器具の洗浄、消毒、持ち込まれる猫の仕分けなど、手術の段取りをサポートした。
市によると、公民館長を通じて行われた事前調査では、市内に野良猫や多頭飼育の猫は1800頭ほどいると推定されているが、佐上理事長は壱岐市の人口規模から最大5千頭いるとみる。
同基金は4月以降も継続して獣医師を派遣する準備を整えているが、現在の月100~120頭のペースで毎月手術したとしても年間2400頭に留まり、手術していない猫が残ると再び妊娠を繰り返し増加に転じることになる。
不妊去勢手術を途中で止めると「5年で元に戻る」(佐上理事長)という。壱岐島の全ての猫を短期間で手術し終えるには、4月以降は手術のペースを今の倍以上にする必要がある。増加に転じてしまえば、これまで県やボランティアが実施してきた不妊去勢手術の効果が無駄になることから、早急な対策が必要な状況。
21日、篠原一生市長は山崎触の手術現場を視察。佐上理事長は「月10日間に増やして年間3千頭のペースでできるが、壱岐市側の人材と予算の確保が不可欠」と協力を要請。篠原市長は「来年1年で解決できるよう、市としても一緒にやっていきたい」と答えた。
市は不妊去勢手術する猫を受け付けている。手術の際にワクチン、ノミダニ駆除も同時に行われる。費用はどうぶつ基金が負担するため無料。次回は1月26~29日、山崎地区漁民センターで実施される。予約が必要で、問い合わせは市環境衛生課(☎45‐1112)へ。

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