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国内初の気候非常事態宣言。地球温暖化防止に先陣切る。

壱岐市は9月25日、全国初の「気候非常事態宣言」(CED=Climate Emergency Declaration)を表明した。CEDについての議案が市議会定例会9月会議で可決された。CEDを行う国、自治体は欧米を中心に急速に拡大しており、世界18か国、970の自治体が宣言しているが、国内で宣言した自治体はこれまでなかった。9月23日に開催された国連気候行動サミットでは、2050年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにするという国連事務総長の呼びかけに77か国が誓約。同サミットで演説した16歳のスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの熱弁、米国トランプ大統領や小泉進次郎環境相の対応が報道されたこともあり、本市の宣言後には市SDGs未来課にマスコミ、自治体からの問い合わせが相次ぐ注目度となっている。

CEDとは、人間活動による地球温暖化に起因する気候変動が、人間社会や自然環境にとって著しい脅威となっていることを認識し、温暖化防止に取り組むことを宣言するもの。アジアで宣言した自治体は、フィリピンの2都市と壱岐市だけだ。本市のCEDは、海洋汚染の原因となるプラスチックごみについて4R(リデュース、リユース、リサイクル、リフューズ)の徹底、2050年までに市内で利用するエネルギーを再生可能エネルギーに完全移行、森林の適正管理で温室効果ガスの排出抑制、日本政府や他の地方自治体にCEDの連携を広く呼びかけることなどが盛り込まれている。

本市が他の自治体に先駆けてCEDを行った直接的なきっかけは、内閣府のSDGs未来都市・モデル事業に選定されたことで、今年7月にSDGs推進に取り組む組織「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」のメンバー26人が壱岐で合宿を実施。その謝礼に同組織の有馬利男代表と、有志でCEDを声明しているNPO法人「環境経営学会」の後藤敏彦会長が白川博一市長を表敬訪問し、宣言を薦められたことだった。

白川市長はCEDがSDGsの方針に沿っていること、本市でもこの3年間に「50年に1度の大雨」が3回も発生、温暖化の影響で藻場の減少・イカの不漁などが起こっていること、海岸に多数のプラスチック漂着ごみが打ち上げられていることなどから地球温暖化を強く危惧し、宣言を決意。9月議会に議案を上程した。

今後はこの宣言を履行することが求められ、その成果が世界から注目されることになるが、白川市長は「根拠もなく宣言したわけではない。本市では今年度から出力抑制で無駄になってしまう再生可能エネルギーを水素として貯蔵し、需要に合わせてエネルギーとして有効活用する水素実用化実証システムの導入に着手する。2030年には再生可能エネルギー導入比率24%を達成し、2050年までの早い段階で100%を目指している」とすでに履行へ向けて動き出していることを強調した。

SDGs未来課は「水素貯蔵と再エネルギー化は、まずは郷ノ浦町の民間フグ養殖場で実証実験を行う。ごみのリサイクル率35・9%は県内最高だが、さらに高める。新たに導入された森林環境贈与税も活用し森林を適正管理する。本市が宣言したことで、他の自治体も宣言することが見込まれ、それらの自治体と連携を深めていく」と具体策について話した。

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