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山口幹雄賞は福岡教育大1年生、中村遼太さん(19)。第62回市美術展覧会

第62回壱岐市美術展覧会(市美術協会主催、16~18日・壱岐の島ホール)の表彰式が18日に行われた。出品数は絵画24人43点、彫塑工芸19人31点、書21人25点、写真15人33点の計79人132点。全部門の中から最高賞にあたる「山口幹雄賞」は書の部門に作品「嶺」を出展した勝本町出身の中村遼太さん(19=福岡教育大学1年)が初受賞した。中村さんは、壱岐高校3年だった昨年、初めて市美術展に出展していきなり部門別の最高位である県知事賞を受賞。2年目で美術展全体での最高賞を受賞する快挙となった。市美術協会によると、19歳での山口幹雄賞受賞は「おそらく最年少ではないか」という。

中村さんはこの日、学校の文化祭と日程が重なったため、表彰式を欠席。母・福美さんが代理でトロフィー、賞状を受け取り、遼太さんからの感謝の言葉を代読した。遼太さんは「名誉ある山口幹雄賞を頂き、大変嬉しく思う。受賞した『嶺』という作品は、1字の中で点の位置、一画一画の向きなどにこだわって作成した。迫力を感じて頂けたら幸いだ」と作品について説明。さらに「昨年、出展した折に、作品を観てくださった方々にたくさんの励ましの言葉を掛けて頂き、現在は大学で書道を学ぶようになった」と昨年の市美術展での県知事賞受賞が福岡教育大に進学して書道を専攻したきっかけになったことを明らかにした。また今後の目標として「将来は書を観てくださる人々を元気にし、そして書により壱岐の活性化につながることができないかと考えて、今後とも精進を重ねていきたい」と故郷・壱岐で国語教師になることを目指しながら書道を続けていく意思を示した。

福美さんは「遼太の姉が書道を習っていたことから、小学校1年から姉について書道教室に通った。姉は中学に入って辞めたが、級がどんどん上がったり、教室に作品の写真が飾られるようになって、やる気のスイッチが入ったようだ。壱岐高校書道部でも専門の先生がいないなか、2、3年時に2年連続で九州大会に県代表で出場できて、手応えを感じているようだった。この作品は今年6~7月に帰省した時に書いていた。『嶺』という文字の形が好きだと言っていた」と話した。

中村さんを小学1年から書道教室で指導し、市美術展の審査員でもある川上幸枝さんは作品について「少字数で、大胆にして動き良く、芸術性に富んだ迫力ある作品」と絶賛。中村さんについては「昔から素直でまじめな少年だった。教えられたことを一つ一つ形にして、この技術を身に付けた。将来は壱岐を背負って立つ書道家になってくれると期待している」と話した。

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