壱岐ウルトラマラソン100㌔女子は東美香さん(43=福岡県北九州市)が初めてのウルトラマラソン挑戦で9時間39分23秒をマークして見事に優勝した。壱岐のコースで女子が10時間を切ったのは、第1回ゲストランナーの望月千幸さん(9時間02分14秒)を除くと、出場選手では初めてだった。東さんはフルマラソンでは3時間03分33秒の自己ベストがあり、防府読売、別府大分毎日マラソン出場など経験が豊富だが、「100㌔で優勝なんてまったく考えていなかったので、信じられない。30㌔過ぎに女子の先頭に立ったが、42㌔以上の距離は未知数だったので、慎重にレースを進めた。壱岐のコースは景色が素晴らしいと噂を聞いていたので、走ってみたいと思っていた。噂通りに美しいコースだったが、きつさも想像以上だった。最後の上りは多少歩きながら、何とか克服した。目標だった10時間切りもでき、最高の1日になった」と喜びを語った。
男子50㌔は、初出場の中村卓也さん(33=福岡市)が2位に16分差をつけて優勝した。3時間18分45秒のタイムは、昨年の優勝タイムを3分近く更新する大会新記録だった。中村さんはフルマラソンで福岡マラソン4位、福岡国際マラソンや別府大分毎日マラソンなどのメジャー大会にも出場。2015年には隠岐の島ウルトラマラソン100㌔で優勝、昨年も山口県のJAL向津具ダブルマラソン(84・39㌔)で優勝するなど、ウルトラマラソンでも輝かしい実績を残している。中村さんは「子どもたちに『優勝してくるからな』と約束していたので、守れて良かった。じつは10日後に3人目の子どもが生まれる予定で、レースにはなかなか出にくい状況だったが、日帰りできる場所なら大丈夫だと思い壱岐のレースに出場することにした」と出場の動機を話した。「原の辻復元公園の建物が楽しかったし、日本海の荒波も体験できた。後半は沿道の子供たちとタッチをしながら走った」と13㌔地点で先頭に立つと、あとは独走状態だった。「来年はぜひ100㌔に挑戦したい」とすっかり壱岐のコースに魅了された様子だった。
50㌔女子優勝の宮川由香さん(54=長崎市)は2位に約45分もの大差をつけたが、苦しそうにレースを振り返った。「途中で足がつって走れなくなってしまったし、最後の坂ではもう精一杯。ゴール前も足が動かなかった。昨年は4時間48分台で4位だったので、その順位と記録を上回ることが目標だった。4時間38分10秒のタイムで目標クリアできてホッとしている。100㌔を走る人は尊敬している。来年までに鍛えて、何とか私も挑戦してみたい」と新たな目標を掲げた。