平成25年度に壱岐市に赴任した地域おこし協力隊のメンバー4人が11日、来年3月末の“卒業”を前に、これまでの活動を総括する報告会を一支国博物館3階多目的ホールで行った。
海女後継者の大川香菜さん(31)は「最初の漁の収穫はわずか450円だった。まだまだ先輩たちの足元にも及ばないが、当時の何倍も収穫できるようになった。漁期以外は手作りふりかけを開発したり、テレビ番組や雑誌の取材、ポスター撮影などで壱岐をアピールしてきた。来年4月からは芦辺町でゲストハウスを運営し、壱岐の魚のおいしさ、生活の素晴らしさを体験できる宿にしていきたい」と今後の計画を話した。
情報発信担当の徳永満智子さん(51)は「SNSで壱岐島の情報発信や、テレビ番組取材のコーディネートなどが主な業務だった。テレビ番組で紹介されると反響が大きく、また人気モデルが来島して若い女性向け雑誌のウェブサイトに掲載されると、若い女性観光客が急増した。企画した女子旅での壱岐の評判は高く、さらに力を入れていきたい。今後もできれば観光連盟での仕事を続けて、地域資源魅力をデータ化、観光旅行商品の開発などを行いたい」と希望を語った。
農業担当の堀田九三男さん(58)は「農事組合法人原の辻で半年間、市農林課で1年間、様々な経験を積み、今年4月にアグリファーム壱岐を立ち上げて、農業を実践している。認定農業者の資格も取得した。役員所有も含めて9㌶の畑があり、タマネギ、メロン、水稲栽培を行っている。壱岐の農産物がおいしいということを、壱岐の人が知らない。宮崎県庁で27年間務めたが、宮崎の野菜よりも格段においしい。この農業に恵まれた島を全国へアピールし、農業規模を拡大し雇用の場を作り、農家レストランの運営や農産加工品の開発にも取り組んでいきたい」と具体的な目標を語った。
特産品開発担当の豊永レイ子さん(35)は「これまで食の島内商談会の開催で2件の商談を成立させ、特産品PRは年6回行い、博多駅でのイベントでは壱岐が1番人気になった。特産品を使ったピザの講習会なども開催した。まだまだ壱岐の食材のおいしさの説明や、女性向け土産品など不足しているものが多いと感じている。今後も地域ブランドづくり、ネット通販の企画、地域の食資源の調査など、壱岐の食の情報発信を続けていきたい」と抱負を語った。
任期満了後は4人とも壱岐に残る予定で、隊員から今度は真の“壱岐市民”となって、壱岐の魅力発信に取り組んでいく。