県と県観光連盟はこのほど、国の地域活性化・地域住民等緊急支援交付金(消費喚起型)を活用した長崎誘客拡大支援事業として、長崎県を訪れる旅行者へ費用助成を行う「ふるさと割」を、7月1日から宿泊予約サイトでの割引サービスに拡大することを発表した。指定されたインターネット宿泊予約サイトを通じた宿泊プラン料金が、指定期間中の土曜日を除いて、1人当たり3千円割り引かれる(1泊分のみ)。壱岐市にとって夏の観光旅行客誘致に大きな効果が期待できそうだ。
「ふるさと割」は5月から、旅行会社のツアー料金が千円から5千円、レンタカーなどオプション費用が最大5千円割り引かれていたが、壱岐が対象となった指定旅行会社のツアーが少なかったこと、ツアー料金全体から見ると割安感が感じにくかったことなどから、これまで目立った効果は見られなかった。
だが6月1日からじゃらん、るるぶトラベルのサイト上で、7月1日~8月31日の土曜日の宿泊を除く宿泊に利用できる電子クーポンの配布が開始された。
事業の予算総額は7億5955万円で、このうち旅行者に対しての支援は5億9千万円と予算が決まっていることから、配布枚数には制限があり、じゃらんでは先着2百組に対しての「3人の利用で9千円引き」クーポンは配布が終了しているが、22日の時点で「4人で1万2千円引き」(先着4百組)、「2人で6千円引き」(先着1400組)はまだ配布が行われている。るるぶは配布枚数は明記されていないが、3人、2人用とも配布を続けている。
また第2期として8月中旬から、この2社に楽天トラベルを加えた3社のサイトで、9月1日以降の土曜も含めた全宿泊に適用する電子クーポン配布がスタートする(終期はサイトにより異なる)。県は来年1月までに20万人の利用を目指しているが、宿泊3千円の値引きは利用者の“お得感”が大きいだけに、目標達成は濃厚だ。
壱岐市にとっては誘客に絶好のチャンスとなる。8月1日から10月末まで九州郵船の燃油サーチャージが無料化されるのに加えて、県内離島では20%得となる「しまとく通貨」も使用できる。これらを併せて利用すれば、旅行代金は大幅に軽減される。
この有利な制度を前面に押し出してPRすることはもちろんだが、いずれの制度も来年以降は未定なだけに、壱岐ならではおもてなしとPRで、リピーターを増やす施策も求められる。壱岐市の情報発信力、観光に対しての真剣さが問われる今夏となる。