県は10日、4月21、22日に実施した本年度県学力調査の結果を発表した。小学校は5年生が国語、算数(342校1万1828人)、中学校は2年生が国語、数学(179校1万2198人)、3年生が英語(173校1万2180人)を対象に調査。壱岐市は小学生が国語、算数とも全21市町中4位と好成績。中学生も国語は4位だったが、数学は15位、英語は21位だった。
小学生の学力は、25年度は国語、算数とも県内トップを記録。昨年度も国語4位、算数5位と平均を大きく上回る成績を残しており、今年も国語58・8点(平均51・8点)、算数75・4点(同72・0点)と、引き続き高い学力を示した。
久保田良和教育長は「壱岐市では約20年前から“問題解決的学習過程モデル”に取り組み、どのような授業が良いのか、常に考えてきた。国語の中でも『伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項』が特に高得点なのは、生きるための基礎となる“考える力”が養われている証拠だと思っている。各学校の取り組みで文化芸術に触れる機会が多いことも、この力に結びついている」と分析した。
中学校は、昨年度は国語13位、数学14位でともに平均を下回ったが、今年度は国語が4位で57・3点(平均56・9点)と躍進した。数学は15位45・0点(平均46・5点)だったが、「国語は成果が出ているし、数学も長与町を除けばほぼ44~50点の範囲で、それほど問題がある成績ではない」(同教育長)。
だが英語は21位53・3点(平均59・9点)。25年度から21、19、21位と常に低迷しており「高校入試がほぼ全入という状況で、受験で必死に英語を勉強する本土に比べると、子どもたちの心の中にどこか油断が生まれているのかもしれない」と分析。早速、今月から英語教員1人を増員。4校に週1~2回ずつ振り分けて、放課後の個別指導などを担当させる取り組みを行う。
同教育長は「過度に数字が独り歩きするのは好ましくないが、実態を知り、励みにしたり、課題を知ったりすることは必要。この調査結果を各学校でも参考にして、より充実した授業に取り組んでもらいたい」と話した。