4年連続アベック初戦突破。8日に長崎県営球場で行われた全国高校野球選手権長崎県予選1回戦に登場した壱岐は、長崎東との対戦で9回に4点差を追いつき、延長11回7-6で競り勝った。佐世保市総合グラウンドで対馬との離島対決となった壱岐商は、15-1の7回コールド圧勝。2回戦は、壱岐が13日に佐世保総合で、壱岐商は14日に諫早と長崎県営で対戦する。
壱岐が奇跡の逆転勝ちを決めた。2-6と絶体絶命の9回表。6番山本からの下位打線が無死からの4連続安打で3点を返すと、一死三塁から石橋が投前に絶妙なスクイズを決めて同点。延長11回表は二死二塁から再び山本が遊撃頭上を越える中前適時打で決勝点を挙げ、8回からのロングリリーフとなった川上が11回裏もきっちり抑え、苦しみながらも驚異の粘り腰で初戦を突破した。
「9回は、さすがに厳しいかと思っていたが、点差が開いていたので思い切り打たせるしかなく、それが好結果を呼んでくれました。先発の今西が制球に苦しんで流れを悪くしていたので、2回戦はその点を解消していきたい」と山本孝一郎監督は本来の守りの野球を徹底させることを今後の課題に挙げた。
「普段通りの野球をする」。壱岐商・小宮健市監督がこの3年間、ずっとテーマに掲げてきたプレーが圧勝につながった。島から遠征しての県大会は緊張感、高揚感が出てしまいがちで、対馬投手陣は12四死球と乱れた。だが積極的な遠征での練習試合でペースをつかんでいた壱岐商ナインは、リラックスして初戦に臨むことができた。
初回先頭の斎藤が落ち着いて四球を選ぶと、2番松本直がきっちりと送り、3番小島は死球で1死一、二塁。ここで練習試合から絶好調の4番竹田大が右中間へビッグな3点本塁打。さらに大谷の四球、盗塁から松本康が中前適時打で4点目を挙げた。「この初回の4点は大きかった。優位な気持ちでゲームを進められた。松本直、松本康と3年生が本当にいい仕事をしてくれました」(小宮監督)。大技だけでなく4盗塁5犠打12四死球と多彩な攻撃。投手陣も、3年前の離島甲子園優勝メンバーだった槇木と、変則左腕・中山のリレーで、対馬打線を4安打1失点に封じ込めた。
▽1回戦
壱岐商
4300026=15
0100000=1
対 馬
【壱】槇木、中山-小島
【対】内山、小島、水本、勝見-武末
(本)竹田大(三)斎藤
壱 岐10100000
401=7
000=6
長崎東00400110
(延長11回)
【壱】今西、長山、川上-原田
【長】福井、鳥越-河内
(三)篠崎宗、川添(二)堤、川上
▽2回戦
壱岐商-諫早
14日1時 長崎県営
壱 岐-●●
13日2時半 佐世保総合