石田町印通寺浦沖に浮かぶ妻ヶ島を舞台にした、かくれんぼ大会「無人島かくれんぼ2024」が3日に開かれ、市外からを中心に59人が出場した。
壱岐島と全国のかくれんぼ好きの老若男女を結んで関係人口を創出しようと、一般社団法人日本かくれんぼ協会(高山勝代表理事)が主催。全国の無人島の利活用を行っている株式会社ジョブライブ(梶海斗代表取締役)が共催した。同協会はこれまで、雪山やサッカースタジアムを会場にしたことはあったが、無人島を貸し切った大会は初めて。
妻ヶ島は南北約8百㍍、東西約6百㍍の無人島。競技は島の北側の一部を区切ったエリアであり、休憩を挟んで計2時間行われた。
選手の中から申し出た10人が「鬼」となり、残りの選手が山中に身を潜めた。見つかった選手は鬼に変わり、探す側になる。選手の中には迷彩服を着たり、全身に木の枝を付けたりして自然の一部に擬態。高い木の上に登る選手もいた。
前半の60分を終えた時点で33人が見つかったものの、日没を迎えた後半は、一帯は闇に覆われ鬼が苦戦。最終的に12人が隠れきった。
神戸市から観光で来島した会社員の山田剛士さん(25)は宿でこの大会を聞き出場。鬼として森に入ったが見つけることはできず悔しそう。「とても楽しかった。昔のわくわく感があり、都会ではできないと思った」と話した。
また、福岡市の会社員、片山将平さん(29)は職場の仲間と出場。見事に隠れきり仲間から祝福を受けた。「貴重な体験ができると思って参加しました。薮の中で自然と一体化し続けて疲れました」と充実感を滲ませた。
かくれんぼ大会は世界選手権が行われる本格的な競技で、日本かくれんぼ協会の高山代表(32)は日本代表(通称・かくれジャパン)のキャプテン。前回イタリア大会では40か国80チーム中9位に入っている。
高山代表は「無人島でかくれんぼするのが長年の夢で、ついに叶いました。感無量です」と感激した様子。「隠れた後に草を戻して痕跡を隠すなどレベルも高かったと思う」と評価した。妻ヶ島での第2回大会も計画しているという。
選手は競技後、バーベキューを行い、無人島を満喫。その日はテントで一夜を明かし、翌朝、チームに分かれて筏を組み立てて、自力で島を「脱出」。かくれんぼだけでなく壱岐の自然を楽しんでいた。