一支国博物館の開館10周年記念第53回特別企画展「絢爛華麗 日本人が愛したミュシャ展」が5日に開幕した。3月28日まで。観覧料は一般400円など。
アルフォンス・ミュシャは19世紀末のヨーロッパで流行した芸術様式「アール・ヌーヴォー」を代表する画家。現在のチェコ共和国に生まれ、パリの大女優サラ・ベルナールの演劇ポスター「ジスモンダ」を制作したことをきっかけにグラフィックデザイナーとして人気を博した。
同展では、ミュシャがパリ時代に制作したポスターや装飾パネルの人気作品「黄道十二宮」、「JOB」、ポストカード、メニュー、菓子パッケージ缶、祖国チェコ独立時に無償でデザインした国家事業のポスター、切手、紙幣など約200点を時代ごとに展示している。
須藤正人館長は「壱岐にこれだけミュシャの代表作が揃うのは奇跡と言っていい。私自身も開幕まで観ないで楽しみにしていた」、河合恭典学芸員は「ミュシャの名前を知らなくても、どこかで見たデザインと思うのでは。日本人の感覚に合った作品が多く、芸術分野に興味がなくても楽しんでもらえるはず」と話した。
期間中は博物館2階に特設会場が設けられ、ポストカードやステーショナリー、ポスターや、100年以上前に製作されたオリジナル作品も8~30万円で販売されている。
ミュシャの代表作「黄道十二宮」(左)と「シャンプノア/夢想」