市教育委員会が本年度から始めた小中学生向け離島留学制度「いきっこ留学生」を利用し、市内の小中学校に2学期から留学した児童・生徒5人の入市式が3日、市役所石田庁舎で開かれた。転校前の学校の行事の都合で欠席した郡田航士朗さん(志原小3年=福岡市)を除き、3兄弟の石原雅人さん(石田中2年=大阪市)、愛子さん(石田小6年)、佳子さん(石田小4年)と、小野美嘉さん(盈科小5年=大村市)の4人が出席した。
同制度は、子どもがホームステイする里親留学、祖父母や親戚の家から通う孫戻し留学、親とともに移住する親子留学の3種類があり、小野さんが里親留学、他の4人は孫戻し留学を利用する。それぞれのタイプに合わせて、ホームステイ費補助金など留学に係る経費の一部補助を市から受けられる。留学期間は来年3月末までだが、希望により来年度以降も継続できる。
入市式で白川博一市長は「ようこそ壱岐市へ。今年初めての事業で、しかも年度途中からだったので留学希望者がいるのか心配していたが、5人も迎え入れることができ嬉しい。壱岐の恵まれた環境の中で目標へ向けて頑張ってもらいたい。新しい生活に不安もあるだろうが、行政と地域、学校が一体となってサポートする」と挨拶した。
大阪から留学する石原さんは3兄弟。7月まで壱岐におり、保護者の都合で大阪に転校していたが、この制度を利用して元の学校に復学する形となった。小野さんは壱岐FMラジオのパーソナリティを務める齋藤智之さん宅にホームステイする。小野さんは「家は長崎空港のそばなので、壱岐まで30分の距離。ホームステイ先も温かく迎え入れてくれて、家を離れることに全然不安はない。前の学校の友だちには『戻ってきて』と言われているけれど、こちらが楽しければそのままずっと居るかもしれない。前の学校では水泳部だったが、こちらにはないので陸上をやろうかな。神社巡りもしたい」と新生活に希望を膨らませていた。
小野さんの保護者も「美嘉本人がどうしても壱岐に来たがっていた。里親家族と壱岐の素晴らしさを十分に感じているので、子どもを送り出す不安は感じていない。本人が望むなら中学、高校もこちらで進学させても良いと思っている。素晴らしい環境の中で沢山の経験をしてもらいたい」と離島留学で子どもがさらにたくましく育つことを期待していた。