9、10日の2日間開かれた市議会報告会は、両日とも予定時間を1時間程度超過するほど、参加者からの要望などが多く寄せられた。だが、参加した市民は両会場とも30人程度で、連日参加の熱心な市民もいたため「議会活動について広く市民に伝える」という報告会の目的が達成できているかどうかは、疑問が残るものだった。
市議会では「小中学生の参加も」と呼び掛けていたが、小中学生はおろか、若者の参加もほぼ見られなかった。怒声、ヤジ、不規則発言も飛び交う雰囲気では、子どもたちが参加してもとても発言できる状況ではなかっただろうし、むしろ見て欲しくない大人の世界にも思えた。
真剣に市政を考えているからこその激しい議論であることは理解できるが、毎回同じように、声の大きな人の意見ばかりが論議されるのは公平ではないと考える市民もいるだろう。
しっかりとした自分の考えを持っている市民なら、直接、議員や市に対して要望を伝えることもできるはず。そのために議員は住所、電話番号を公開しているし、市役所や県も窓口で相談を受け付けている。
議会報告会は普段はなかなか声を挙げることができない市民が、市制について何を考えているのか、どんな要望があるのかを聴く場でもあって欲しい。
議会活性化特別委員会でも意見が出ていたが、議会報告会で多くの市民の意見を聞き、適切な回答をしていくためには、事前に質問を募る方法が最適だ。メールなどで質問を受け付けるのなら、若い人でも声を挙げやすい。自分の質問に対して答えてくれるのであれば、報告会に出席しようと思ってくれるかもしれない。
市政のあらゆる分野の詳細な問題について、その場での急な質問に対して完璧な回答を行うことは、政治のプロである議員でも困難な場合があるが、事前質問であれば準備ができ、より適切な回答をすることができる。壱岐の将来のために、建設的な意見を交換できる議会報告会開催を望みたい。