文化庁は4月24日、新設した「日本遺産」に認定した18件を発表。長崎県からは「国境の島 壱岐・対馬~古代からの架け橋~」が認定された。
日本遺産は、全国の各地域に残る特色ある建造物や遺跡、景観などの文化財を整備・活用し、地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化・伝統を語るストーリーを国内外に発信することにより、地域の活性化を図ることを目的としている。第1回は全国から83件の申請があった。
「国境の島 壱岐・対馬」のストーリーを構成する文化財数は27件(対馬市11件、壱岐市10件、五島市3件、新上五島町3件)。認定されたストーリーの概略は「壱岐は朝鮮との海上交易で王都を築き栄えた。その後、中継地としての役割は希薄になったが、古代住居跡や城跡は当時の隆盛を物語、焼酎などの特産物、民俗行事にも交流の痕跡がうかがえる。国境の島ならではの融和と衝突を繰り返しながらも、連綿と交流が続くこれらの島は、国と国、民と民の深い絆が感じられる稀有な地域である」などと紹介されている。
中村法道県知事は「日韓国交正常化50周年という節目の年に、このように朝鮮半島を中心とした大陸と本県との交流の足跡を描いたストーリーが、日本遺産に認定されたことを大変に嬉しく思う」とのコメントを発表。交流人口の拡大に期待を込めた。
▼ストーリーを構成する壱岐市の文化財 原の辻遺跡、同出土品、壱岐古墳群、笹塚古墳出土品、双六古墳出土品、勝本城跡、内海湾、岳ノ辻、カラカミ遺跡、生池城跡