筒城小学校(月川浩之校長、34人)の5、6年生15人が10~13日、同校近くの西福寺で3泊4日の通学合宿を行った。
学校、家庭、地域でつくる学校運営協議会「白砂の会」主催。期間中、西福寺で共同生活や座禅をしながら学校へ通学し、自主自立の精神を磨いた。平成17年度から毎年行われている伝統行事で、今年で20回を迎えた。
初日は地元について学習する「筒城の歴史を学ぶ会」が開かれ、山本富恵前住職(77)が「筒城東触編」と題して講演。
山本さんは筒城浜など同触にある壱岐が誇る数々の浜を解説。古くは現在の筒城浜から錦浜までの延長4㌔の7つの浜を「筒城浜」と言い、現在の筒城浜は「宮の浜」と呼んでいたことなど説明。55年前と現在の写真を比べ、昔は乙島の浜の砂が多く北側と南側の両方に浜辺があったことを話した。
また、壱岐空港の建設の歴史や古文書・壹岐国続風土記に記される悲恋の物語「小松と作助の墓」も解説した。
山本さんは最後に7つの浜の映像を流し「自然を大事に、ずっと残したい。壊すのは簡単だが作ることはできない。壱岐の自然をどうか若い人、残してほしい、ただそれだけです」と子どもたちに語り掛けた。
最終日夜には写経と写仏を行い、延命十句観音経を写し、「やさしい人になる」「プロソフト選手になる」など願い事を書き込み、完成したら村部崇祐住職に印を押してもらっていた。
料理が好きで将来の願い事に「おべんとうやさん」と書いた本橋頼武さん(5年)は「いただきますを大事に言おうと思った。今までも言っていたけど、こんなに大事だとは思わなかった。お風呂も脱衣所の床を濡らさないようにしたい」と合宿を通じて日常生活を見つめ直した様子だった。