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20176/30

社説・おいしい話には必ず裏がある

市内でも特殊詐欺の被害が出ている。その手口を取材すると、何故そんな単純な誘いに引っ掛かるのかと思ってしまうレベルなのだが、人間は言葉巧みな甘言に弱い生き物だし、ましてや高齢になると判断力が鈍くなる。IT系の言葉には慣れていない高齢者は「そんなこともあるのかな」と思ってしまっても不思議ではない。
私の専門である競馬の世界でも、昔から詐欺まがいの話が数多くある。新聞広告などでよく見るのが「予想会社」だ。「先週も大当たり」などと大きな見出しで儲かっていることを強調する広告や、元調教師、元騎手など著名人がアドバイザーとして顔を出しているものがある。
これまでの「的中実績」は、新聞社によっては事前に予想を提出させ、本当であれば掲載するというケースもあるが、これはあくまでも新聞社の自主規制であって、自由に掲載できる媒体もある。
巧妙なケースでは、同じ経営者が3~4社の予想会社を運営して、それぞれ違う予想を提供していることがある。どこかの社の予想が的中すれば、その社を大々的に宣伝する手口だ。
著名人はほとんどの場合は名義を貸しているだけで、実際に予想していることは少ない。もし予想をしていてもそれほど当たらないことは、新聞で予想を発表している元調教師、元騎手の予想成績を見れば明白だ。ある元騎手は1レースに50点くらいの予想を出して「当たった」と威張っているが、それだけ買えば誰でも数回に1回は当たるだろう。
「厩舎関係者だけにしか知らされない情報がある」というもっともらしい話が宣伝されているが、35年以上も競馬記者をしていたが、そんなおいしい話を聞いたことは一度もない。
確かに稀に馬券のうまい人はいるが、そういう人は他人に馬券を教える必要がない。教えたらオッズが下がるだけで、何のメリットもないからだ。
おいしい話には必ず裏がある。くれぐれも甘い言葉に乗せられないよう気をつけたい。




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