来年の全国大会予選会を兼ねた第15回中・四国身体障害者野球大会(同野球連盟主催)が17日、岡山県倉敷市、マスカットスタジアムであり、郷ノ浦町出身で広島市在住の内田真人さん=障害区分・下肢=と同町在住の江口慎哉さん(32)=同・療育=、岩井竜也さん(35)=同・上肢=が、高知ニューフレンズの選手として出場した。初戦の徳島ウイングスに9‐1で敗退し、続く5位決定戦でも愛媛ブレイドに11‐0で敗れたが、初出場の岩井さんをチームに迎え、壱岐勢が一丸となって試合に臨んだ。
内田さんが高知県の大学出身だったことから高知ニューフレンズに所属し、江口さんは今年5月の全国大会から同チームに入り、試合に出場している。
岩井さんは内田さんの中学校時代の同級生。幼い頃に事故で右手の指を失い、志原小ソフトボール部に所属していた頃から左手にはめたグローブで捕球した後、そのままボールを空中に放り、その間にグローブを右脇に抱えて左手で球をキャッチして投げる方法でプレーしてきた。
きっかけは少年ソフト時代
今大会出場のきっかけは郷ノ浦町の自営業、出口靖嗣さん(63)からの誘いだった。以前、柳田小ソフトボール部の監督だった出口さんは、対戦相手の志原小チームで外野を守っていた岩井さんのプレーが印象に残っていた。未経験ながら今春の大会に出場した江口さんの活躍を知り、岩井さんの職場まで行って出場を打診。自身もサポーターとしてチームに加入し、サードコーチャーを務めた。
「障害者の社会進出に」
岩井さんは大会を終え、「気持ちが良かった。自分に似たような(障害を持った)方も頑張っていて元気づけられたし、チームメイトも一生懸命やっていて感動した」と振り返った。
また、「(障害があると)周囲に迷惑をかけていないか内気になってしまうこともあるが、今回の大会では内気な人はいなくて、皆が伸び伸びとと励まし合ってプレーしていたので、こういう場はいいなと思った。今後も都合が合えば参加したいし、このような大会があると知らせていきたい」と話した。
出口さんは「何か手伝えないかという思いだった。障害者と一緒にやって自分も勉強をさせていただいたし、元気を100倍もらった。今後もサポートしたい」と話した。
内田さんは「身体障害者野球が広まって大変嬉しい。普通のスポーツは難しくても様々に工夫することで障害者野球ならできる、障害がむしろ活かされる、活躍の場があると思う。障害者野球が障害者の社会進出に繋がってほしいし、同じような障害がある人にも体験していただきたい」と話した。