壱岐保健所は8月24日、第34週(8月17~23日)の感染症速報を発表。ヘルパンギーナの定点当たり発生者数が7・0(2定点病院で計14人)となり、感染流行の警報開始レベル(6・0)を超えた。また、手足口病も定点当たり4・5(同9人)で、警報開始の5・0に近づいている。
ヘルパンギーナはウイルス感染によって引き起こされる咽頭炎で、発熱、のどの痛み、口腔粘膜の水膨れなどの症状が見られる。重症化すると髄膜炎や心筋症を発症することがある。主に小児の間で夏に流行しやすく、手足口病、咽頭結膜熱(プール熱)とともに「子どもの三大夏風邪」と呼ばれている。抗ウイルス薬は開発されておらず、治療は解熱、鎮痛などの対症療法が主体となる。またワクチンも開発されていない。新型コロナウイルスと同様に接触感染、飛沫感染するため、手洗い、消毒などの感染症対策が重要になる。
壱岐保健所は「定点病院に小児科の主要病院1か所が含まれていないため、実際にはもっと多くの発症者が出ていると思われる。手足口病、咽頭結膜熱とともに、感染症対策に十分注意してほしい。ヘルパンギーナのウイルスは回復後も口から1~2週間、便から2~4週間にわたって排出されるので、おむつの交換後に汚染された手指を介して感染が広がらないように注意が必要だ」と対策を呼び掛けている。