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大阪へ陸上養殖トラフグを千匹出荷。

株式会社なかはら陸上養殖部と有限会社橋本水産は20日、両社が共同で取り組んでいる低塩分陸上養殖トラフグの試験出荷を鎌崎陸上養殖施設で行った。有人国境離島法による貨物運賃の低廉化が実施されて以降、本格的な出荷は初めて。最新技術により低塩分の生態環境水で、1匹1・2~1・3㌔程度に丸々と太ったトラフグ約千匹を、5匹単位で重量を測定しながら大型の活魚運搬車に運び込み、運搬車はフェリーで唐津を経由し、大阪府の魚市場へ向かった。

出荷を見守った橋本水産・中原泰輔社長は「停電で施設がストップするなどのアクシデントもあったが、何とか乗り切って出荷までこぎつけた。貨物運賃低廉化で採算の目途が立つと思っていたが、トラフグの取引価格が昨シーズンは1㌔4000円前後だったものが、今シーズンは2000円前後と大きく下落してしまったのは想定外だった。陸上養殖は7~8月でも出荷できるので、複雑な値の動きを把握しながら今後の出荷を考えていきたい」と価格面での課題を挙げた。将来的には陸上養殖トラフグを壱岐の名物グルメとして、島内で本格的に流通させていくことを目標にしている。

「すでにフグ調理師資格を持つ料理長がいる一部の宿泊施設で扱ってもらっているが、広く浸透させるためには島内に身欠き加工施設が必要。陸上養殖は海面養殖、かけ流し養殖と違い、海に負担を掛けない養殖方法。壱岐の美しい海を守りながら養殖に取り組んでいることを付加価値にして、観光客らに売り込んでいきたい」と中原社長は語った。

 

◆低塩分陸上養殖 一般的な生物の体液と同等の塩分濃度0・9%の生態環境水を用い、体液浸透圧調整などで魚にストレスをかけることなく養殖する。海水を直接使用せず、自然ろ過された海水と淡水をボーリングし、混合することにより病原菌、寄生虫の発生を防ぐ。噛み合いなどで生じた傷による斃死(へいし)もほぼ見られず、90%程度の高い歩留まりが期待できる。また地下水を使用することで、年間を通じて水温が20℃前後で一定するため、魚の高活性化水温(18~24℃)を保てるメリットなどがある。半循環ろ過施設では地下からの塩水と淡水を混合し使用した後、微生物浄化ろ過槽を通して半分近くの水量を再利用する。

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