第38回壱岐ナイター陸上競技大会が3日、大谷公園総合グラウンドで開催され、小学校4年から社会人まで約650人が出場した。
台風接近の気象条件で前日までにかなりの降雨があったが、当日は晴天。ややぬかるんだコンディションながら34種目が行われ、6種目で大会新記録が樹立された。
小学6年女子八百㍍の田中咲蘭(田河)はスタートから積極的に飛び出すレースで、2位に6秒の大差。2分35秒5は平成24年に姉・亜可梨(現・長崎商)がマークした2分38秒2を2秒7短縮する大会新記録となった。また田中はこのナイター陸上女子八百㍍で4年時から3連覇、昨年に続いて2年連続の大会新記録となった。
田中は「最初から飛ばしたので最後が心配だったが、何とか粘ることができた。このタイムは自己ベストだし、姉の記録を抜けたのはやはり嬉しい。中学生になっても今度は千五百㍍で、毎年大会記録を塗り替えていきたい」と意欲的に語った。
全国小学生陸上競技交流大会の5年男子百㍍で4位となった竹下紘夢(渡良)は、“本職”の百㍍は2位に0秒6差の圧倒的な強さで優勝したものの、タイムは14秒1で大会記録(13秒9)には0秒2及ばなかった。だが八百㍍では2分33秒3で大会記録(2分39秒1=平成21年盈科・山口祐介)を4秒以上短縮する新記録をマークした。
竹下は「目標は2分30秒だったので、まずまずだと思う。自分のペースでレースをすることができた」と万能さを見せつけた。
小学6年女子走り幅跳びは、竹下とともに全国大会に出場し、17位となった長岡幸奈(盈科)が従来の記録(3㍍92=平成9年盈科・里吉愛)を29㌢も更新する4㍍21の大会新記録で貫録を見せた。「自己ベストは4㍍29だったので、更新できなかったのは残念だったが、全国大会が良い経験になり、落ち着いて競技ができた。来年は5㍍の大台を目指したい」と大きな夢を語った。
中学2年女子百㍍では黒木向日葵(郷ノ浦)が13秒8をマーク。大会記録の13秒9を0秒1更新した。大会記録を保持していた2人のうちの1人、長島夏子(平成10年、渡良)はのちのインターハイ女王で、偉大な壱岐の先輩の記録を塗り替えた。黒木は「自己ベストは13秒57なのでもう少しだったが、後半リラックスして走れたのが良かった」と手応えを感じていた。
スタンドが盛り上がったのは高校生と一般男子が同走となった三千㍍。高校生の竹原優也(壱岐)がペースを作るのを、長距離界のエース樋口貴英(28、芦辺町)とベテラン川下和明(36、郷ノ浦町)がピッタリとマーク。ラスト200㍍で川下がスパートして貫録の勝利。2番手には高校生の甲原海人(壱岐)が入り、3番手が樋口だった。川下はこの種目で、29歳以下(9分00秒6)、30~34歳(9分29秒1)に続いて、35~40歳でも9分39秒0の大会新記録を樹立した。