社説

具体性が見えない地方創生

syasetsu 政界が解散・総選挙の話題で一色になっているなか、21日の参院本会議で「まち・ひと・しごと創生法」と改正地域再生法が駆け込むように可決、成立した。だが民主党、維新の党、共産党などは欠席し、論議も対案が示されることもなかった。
地方に住む人間にとって、この地方創生法には大きな期待をしているが、首相官邸のホームページに掲載されている法案の概略を何度読んでも、いったい何をしてくれるのか、よく判らないというのが実感だ。
「まち・ひと・しごと創生法案」には「国民が個性豊かで魅力ある地域社会で潤いのある豊かな生活を営めるよう、それぞれの地域の実情に応じた環境を整備」など7項目の基本理念が掲載されている。地域再生法の改正は「各省庁が持つ各種の地域活性化関連施策を総合的に運用し、やる気のある地域に対して集中的に政策資源を投入し、政策効果を最大化」などと書かれているが、具体的な政策については触れられていない。
創生法のより具体的な取り組み方針を示す「総合戦略」の閣議決定は12月上旬に予定されていたが、総選挙後にずれ込むことになった。一方で政府は、16年3月までに各地方自治体に対して、各地の実情に応じた地方版総合戦略を作成するように求めるという。ここからは都道府県と市町村のアイデア比べ、やる気比べで予算が獲得できることになる。
壱岐市は人口減少問題の取り組みについて、知事に対して「地域オーダーメイド型プロジェクトの強力な推進」を要望した。これは県の「しまは日本の宝」関連事業で、振興局が主体的に地元と協働し、オーダーメイド型の取り組みを実施するという「振興局プロジェクト」の一貫。今年度は対馬市がモデルケースとして「民泊利用促進のための研究会」「島内消費拡大のためのマルシェ開催」などを実施している。
県との協働ももちろん重要なことだが、市独自にどのようなアイデアを地方創生本部に対して示すことができるのか、もう期限は迫ってきている。

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