社説

滑走路延長には実績づくりを

壱岐市から県への要望活動が11日に行われ、大石賢吾知事に10項目に及ぶ要望書を提出した。その最重要要望である1項目目は、今年も壱岐空港滑走路延長に関してのものだった。平成28年から要望を続けており、ほぼ毎年1項目目に掲げている。
だがその回答は中村法道前知事時代からまったく変わらず「莫大な費用がかかる。国の採択条件となる『滑走路延長が必要となる機材の就航の見込み』がないと難しい」というものだった。その回答は事前に予想されていたもので、壱岐市としては「滑走路延長をあきらめていない」という姿勢を示し続けていくことも目的なのだろうが、知事に直接要望できる機会は年に1度なのだから、多少でも実現可能な要望を1項目目にに取り上げてもらいたいと感じた。
空港滑走路の延長がなされれば、確かに本市の振興には大きな役割を果たすだろうが、大型ジェット機が就航したとして、国が指摘するように、どれだけの利用者があるのかは見通しが難しい。現在1日2往復の長崎‐壱岐便は、スポーツ大会や会議などがある時は満席(39・48席)になっているが、搭乗率は今年4月が56・6%。これはORC定期航路9路線の中で長崎‐対馬(50・9%)に次いで低い数字だ。
本市の狙いとしては首都圏、関西圏からの定期便、チャーター便の就航なのだろうが、まずは目に見える実績として、この長崎‐壱岐路線の搭乗率を高め、1日2往復を3往復、4往復するようにならないと、国は必要性を認めてくれないのではないだろうか。その施策がまず必要だ。
大型機や大型客船が定期的に来航したとしても、その受け入れ態勢も十分とは言えない。ハイシーズンの宿泊施設は現在の観光客数でほぼ一杯だし、飲食店も不足しすでに観光客の「ランチ難民」「夕食難民」も生まれている。行楽施設にしても不足している。滑走路延長を求めていくのなら、それに合わせた観光計画もしっかりと立てていかなければならない。

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