猛暑となった今年、海水温が8月中旬から過去最高の水準で推移しており、台風の勢力が増したり、海藻への影響が懸念されている。
福岡管区気象台が観測する壱岐と九州本土間の海峡「壱岐水道」の海面水温を見ると、7月初旬から8月初旬まで過去5年間の平均を下回っていたが、8月9日から急上昇し、1週間で2・7℃上がった。
16日からは、海藻のアラメ・カジメが大量に流出した2013年と並び連続17日で29℃を超えた。13年は8月中旬から低下が見られたが、今年は25日以降も高いまま続き、記録が残る1982年以降、最も高くなった。原因は地球温暖化や8月までの台風が少なく、海水がかき混ぜられなかったことなどが考えられている。台風9号が通過した3日以降は急激に低下し、平年並みの水準に戻った。
台風は海水温が26・5℃以上で発生するとされ、水蒸気が上昇気流となって渦を作り、台風へと発展する。海水温が高ければ、水蒸気がエネルギー源となり、台風の勢力がより発達するとされる。
市水産課は、「アラメ・カジメはすでに壱岐沿岸にほぼない状態だが、各漁協などに網囲いなどして食害を免れたものもあり、海藻への影響が懸念される」としている。