壱岐イルカパーク&リゾートが25日、リニューアルオープンした。同パークは平成7年の開園以来、市直営で運営されてきたが、今年度から指定管理者制度を導入し、イキ・パーク・マネージメント(高田佳岳代表)に運営を委託。同社は民間ならではの視点で、イルカと触れ合えるアクティビティメニューを充実させるだけでなく、東京で人気のパンケーキ店が出店したカフェスペースを設置、近くの串山海水浴場ではキャンプ、バーベキュー、マリンアクティビィティ事業など島の自然を活かしたアウトドア・レジャーサービスも展開し、壱岐の新たな観光拠点化を目指す。壱岐市民の入場は、島民カードなどの提示で無料となる。
昨年12月からのリニューアル工事で、これまでは殺風景だった事務所棟が、モダンなクラブハウスに生まれ変わった。大きなガラス張りの室内からはイルカたちが泳ぐ様子が一望でき、コーヒー(400円)などのドリンクメニューに加えて、東京から長崎初出店となるベリー・ファンシーのパンケーキ(プレーン800円)などの軽食も提供される。イルカパークの目玉となるイルカとの触れ合い体験は、ジャンプなどショーを見せるプレイングタイムはこれまで同様に午前10時、午後3時半の1日2回だが、餌やり体験(15分500円)、ドルフィンタッチ(20分3千円=イルカと一緒の3つのアクションと写真撮影)、ドルフィンタッチライト(10分500円=泳ぐイルカにタッチ)は、どの時間に来園しても少ない待ち時間で体験できる設定とした。
また8月以降は、ドルフィンシュノーケリング(30分3千円=湾内・生簀内でシュノーケリング)、ドルフィン体験ダイビング(40分1万円=同スキューバダイビング)、ドルフィンビーチ(40分5千円=ビーチ内でイルカにタッチ)、トレーナー体験(6時間1万5千円=実際のトレーニング体験など)のメニューを、イルカのトレーニング状況により順次追加していく。また串山海水浴場でのキャンプメニューも様々用意され、1日1組限定でイルカパーク内でキャンプし、24時間イルカと過ごせるプランも計画している。
高田代表(41)は東京水産大学で海洋哺乳類、水族館について学び、広告代理店勤務時には各種プロモーション事業に関与。独立後は飲食店経営、ダイビングインストラクター取得、そして内閣府の国境離島アドバイザーとして離島の状況にも精通している。「これまでの経験を活かして、イルカパークを壱岐の観光の拠点にしていきたい。施設としては素晴らしいものなので、スタッフがしっかりとしたホスピタリティを持てば、必ず入場者は増える。現在は年間2・5万人だが、19年度は最低でも3万人、できれば4万人を目指し、20年度以降は最盛期だった5万人を目標にしている。壱岐には年間25万人の観光客が来ており、一支国博物館は10万人、辰の島遊覧も2万人が訪れており、博物館を訪れる大型観光バスからの誘客、辰の島観光からのシャトルバスの運行で、5万人達成は可能だと思っている」と自信を見せた。
これまでのイルカパークは、ショー以外の時間に触れ合い体験ができないと観光客の滞在時間は極端に短かった。「いつ来ても体験ができるようにして、待ち時間もゆったりと楽しめる空間にする。現在のイルカ飼育頭数は5頭(2021年度までに9頭に増頭)なので、ストレスの軽減には最大限に気を遣うが、餌やりは1日の食事量が決まっていることだし、タッチはイルカ自身も好きなのでそれほど負担にはならない。水質も湾内に海草が生えていてまったく問題ないし、カキ殻などでの浄化も行っていく。触れ合い以外のメニューとして、移動動物園開催や乗馬体験なども検討している」とイルカパークを総合レジャー施設に発展していく考えを話した。