社説

可視化による、わかりやすい政治

21日に投開票された市議会選挙。地縁、血縁が票を左右すると言われてきたが、今回は新人、赤木貴尚氏が1555票数でトップ当選するという“風が吹いた”選挙になった。
赤木氏は43歳と若いことから、人口や観光客減少などに危機感を持っている市民が“壱岐市の将来をなんとかしてほしい”との想いで票を投じたか。もしくは町別の得票数が公表されていないので一概には言えないが、公式ホームページで動画を次々と配信し、フェイスブックを利用した情報発信で毎日千人以上に見られ、100人を越える“いいね”が押されるなど、ネットを使った選挙運動を推進してきたことが、地区に限定されない票を取り込むことに繋がったのではないかと思っている。
同日開票となった参院選。投票率(選挙区)は52%台となり、前回、2010年参院選の57・92%を5ポイント以上も下回った。今回はネット選挙が国政で初めて解禁されたことから、若年層を中心に選挙への関心が高まるかどうかに注目が集まっていたが、 自民党の「1強」状態が伝えられ、有権者の関心は高まらなかったようだ。
そのような中、激戦の東京選挙区で、党議拘束などで主張が妨げられることを避けるために無所属で臨んだ、俳優の山本太郎氏が大番狂わせとも言える初当選を果たした。解禁されたネット選挙も追い風となり、ツイッターやフェイスブックで日々拡散した。ツイッターのフォロワーは安倍総理も凌ぐ20万人だ。
山本氏は勝因について「いかに選挙を可視化するかだった」と話している。街頭演説での様子はもちろん、移動中の車内での素顔なども動画撮影し、ありのままの自分を配信し続けた。その結果、市民ボランティアも千人を超え、ネットでの盛り上がりが組織票のない山本氏を当選へと導いたのだ。
可視化とは人が直接“見る”ことのできない現象・事象・関係性を、図や表などで“見る”ことができるようにするもの。市議選ではネットによる情報発信も少なく、可視化していたとは言い難いが、当選した16人の市議には、是非、可視化した議員活動をお願いしたい。市民の目に見える分かりやすい政治はネットでなくてもできるのだから。

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