地域情報

ナゾの腕輪状木製品が出土。27年度原の辻遺跡発掘調査

県埋蔵文化財センター(岩永正弘所長)は4日、平成27年度原の辻遺跡発掘調査で出土した腕輪状木製品についての報告書をまとめたことを発表した。
調査は27年11月2日から12月25日の期間、原の辻遺跡芦辺高原地区(原の辻ガイダンス東側の幡鉾川南岸)などで行い、同地区の最下層(20層)から三角集線文(2つの細かな平行線が三角に交差する模様)が刻まれた樽型土器、全体に研磨された大型壷などの稀少な資料とともに、腕輪状の木製品が出土した。時期は今からおよそ2200年前の弥生時代中期中葉で、出土した場所は当時は川底だったと推察されている。
木製品は長辺75㍉、短辺42㍉、厚さ9㍉で、平面は長方形。内径10・6㌢程度の弧状となっており、表面には6条の溝が刻まれている。表面と裏面に黒漆が塗布されて、四隅に孔が開けられている。木材はカヤであることが判明した。ほとんど摩耗を受けていないことから、河川に投棄されてまもなく堆積したものと見られる。
同調査を主担当した古澤義久主任文化財保護主事(36)は「国内での出土事例が確認されていない木製品であることは間違いないが、類例がなく用途ははっきりとしない。形状から腕輪や短甲(防具)の脇の部分で、孔にひもを通してつなげていたのではないかという可能性が指摘されているが、仮に輪状にすると腕輪より内径が大きい。同時に出土した土器などの珍しい形状から、祭祀に使用されていた可能性がある」と話している。
ナゾだらけの腕輪状木製品だが、原の辻遺跡のロマンをさらに深める存在であることは確か。現在は保存処理が行われており、準備ができ次第、同センターのオープン収蔵展示などで公開を予定している。

関連記事

  1. 第2次市総合計画 10月末までに策定
  2. いけすの部品?。実はネコザメの卵。
  3. 「こつこつ頑張れば夢に出会う」 壱岐陸協の清水会長が沼津小で講演…
  4. 子牛市は平均61万5660円 史上最高記録をさらに更新 壱岐家畜…
  5. 「空き地を公園に」実現 芦辺浦まち協「こども自治会」
  6. 集団接種シミュレーション。1時間30人、1日150人を想定。新型…
  7. LED3千個で白沙八幡神社をライトアップ。大大神楽とのジョイント…
  8. 「警察から前副市長らに措置ない」、不正入札疑惑に白川市長が言及。…

おすすめ記事

  1. 妻ヶ島でかくれんぼ大会 大自然を満喫、観光イベント定着へ
  2. 中村遼太さん2度目の山口幹雄賞 書「送元二使安西」で別れを表現 第69回市美術展
  3. 日韓で海洋プラごみ回収 50人参加でトラック3台分

歴史・自然

PAGE TOP