7月30日投開票の市議会議員選挙が近づいてきて、幹線道路沿いには立候補予定者の看板が立ち並び、毎朝辻立ちをしている予定者の姿も目にするようになってきた。
壱岐新聞社の調べでは、現職15人中2人が出馬辞退を表明しており、無所属13人が再選を目指している。元職は無所属1人が出馬を表明。新人は公明党、共産党の公認候補各1人、無所属4人の計6人が予定しており、20人が定員の16議席を争う展開になりそうだ。
残念なのが女性候補が一人もいないこと。現職1人だけの女性議員が引退予定で、新たな候補者にも女性はいない。市は第2次男女共同参画基本計画を策定し、男女共同参画推進懇話会を設置するなど、女性の社会進出を後押しする動きを強めている矢先に市議会から女性がいなくなるのは、本市の男女共同参画の流れの後退につながらないか心配だ。
市議会になぜ女性立候補予定者が出ないのか、議会活性化委員会や議会運営委員会でも徹底的に調査して、女性議員比率が40%を超えている東京都清瀬市、小金井市、滋賀県湖南市、茨城県牛久市、九州では唯一30%超えの福岡県宗像市などの事例を参考にしながら、改善策に取り組んでもらいたい。
もう1点気になるのが、合併後4度目の市議選だというのにいまだに旧4町とか、地区公民館などの思惑が大きい点だ。
「郷ノ浦から10人出るので大激戦になる」「勝本、石田は2人ずつしか出ないので楽ではないか」とか、「○○公民館は○○を推しているから、同じ地区で他に出たい若手候補者がいたのに立候補をあきらめた」などの話を聞くことがある。
Iターン者の記者から見ると、わずか2万7千人の小さな島なのだから、もっと全島的な感覚で、政策内容で選挙戦を行ってもらいたいと思ってしまう。
地域に密着したドブ板活動は確かに重要だが、候補者には島内1万1千世帯すべての声を聞く「壱岐全体のドブ板選挙」を期待している。