商店街でいう“シャッター通り”とは、商店が閉店し、シャッターを下ろした状態が目立つ、衰退している様をいう。
商店街の衰退は、人口減少はもちろんだが、車でや郊外へ買い物に出かける生活スタイルが定着したことに起因する。
2000年、大規模小売店舗法が改正され、全国各地の郊外に大型ショッピングセンターや映画館、専門店街などの機能を揃えた複合施設が乱立。大型無料駐車場をも完備することから商店街に匹敵する機能をもつようになった。商店街は十分な駐車場を持たず、流行に合わせた商品の目新しさや価格競争に負け、客が流出。一気に衰退するという構図だ。
そのような中、シャッター通りを2年半で空き店舗ゼロとした、別府駅の北高架商店街が話題になっている。同商店街は1966年に営業を開始。かつては飲食店街だったが、2011年3月には全13店舗中9店が空き店舗という、「シャッター通り」の典型だった。流れを変えたのは同年4月、同商店街入り口の角地に出店したカフェ。「より多くの人が集う場所にしたい」と店内に作家の芸術作品を展示したり、夜は別の人にカフェバーを運営させることで、昼と夜で違う客層を集めた。
また商店街のイメージ一新を図るため、壁や柱に地元の画家が絵を描き、12年4月からは毎週土曜日に路地でフリーマーケットを開催。空き店舗を地元の芸術イベントの会場にするなど、新たな客層を呼び込むのに成功している。「駅に近くて個性的な商店や経営者がいるのが魅力」と、空き店舗に若手店主の出店が相次ぎ、出店者が出店者を呼ぶ好循環が生まれた結果だ。
同商店街は「各店舗が個性的でトップクラスの仕事をすれば、歴史ある別府の文化を発信していくことが出来る」と自信を覗かせた。
来年4月には消費税が8%となり、商店街活性化に本気で取り組まないとますますシャッター通りの空洞化は進み、商店街がなくなってしまう事態も起きかねない。壱岐市の商店街も後継者ら若手同士が集まり、「まったく別の客層を集める手段」を考えてはどうか。そういう機運の高まりや努力がなければ、昔ながらの商店街に未来はない。