壱岐市マグロ資源を考える会(中村稔会長、337人)の第2回総会が15日、勝本町・かざはやで開催され、236人が出席した。
中村会長は「島内のヨコワ(6㌔未満の未成魚)の減少は深刻だが、中型も昨年から激減している。親も子もいない状況だということを、漁師はみんな実感していると思う。未成魚の漁獲制限だけでなく、産卵期の成魚の漁獲制限が必要」とあいさつ。
「マグロ資源の回復に努め、将来においてサイズに関係なく持続的・継続的にマグロ漁ができる環境作りを目指す。マグロ産卵期の漁獲制限を求め、あらゆる分野に働きかけ、水産国である我が国の国民運動となるよう、行動していくことを宣言する」とした同会設立時に掲げた「2013がさはや宣言」を今年度も継続して宣言していくことを誓った。
今年度の活動として、まず21日から北海道、青森、和歌山に出かけて、現地のマグロ漁師と意見交換会を実施。5月は水産庁への陳情、6月は対馬市の漁業者との意見交換会、壱岐市議会議員との勉強会、7月は五島市の漁業者との意見交換会など、マグロ資源管理の輪をより広げる活動を計画している。
総会後に前水産庁次長で水産総合研究センターの宮原正典理事長が「太平洋マグロの資源状況と管理の方向性について」の講演を行い、「中西部太平洋マグロ類委員会・全米熱帯マグロ類委員会が、未成魚漁獲量を2002~4年平均の50%削減を実施すれば、親魚資源は10年以内に85%の確率で歴史的中間値(約4万3千㌧)まで回復する見込み」と将来予測を行い、適切な保存管理措置が採択されるように日本がリーダーシップを一層発揮することが必要だと方向性を示した。