第33回壱岐の島新春マラソン大会(同実行委員会主催)が13日、芦辺・ふれあい広場を発着とする特設コースで開かれ、6部門33種目に延べ1817人が出走した。最高気温11・7℃、最低気温7・8℃は昨年より3~4℃高く、この時期としては暖かな気象条件だったが、最大風速は5・9㍍、瞬間最大は10・0㍍に達して海沿いコースでは特に強く、大会新記録は1種目だけ(10㌔一般女子40歳以上=浦辺彰子さん)と多くのランナーが風との戦いに苦戦した。
川谷さん貫禄示す。ハーフ一般男子
ハーフマラソン一般男子は、2年連続でニューイヤー駅伝(群馬県)に出場した実績を誇る川谷勇貴さん(27=佐賀・ひらまつ病院、壱岐商高出)が5年ぶり2度目の優勝を果たした。川谷さんは駅伝で鍛えたスピードで、前半から1㌔3分20秒ペースを刻み、後続を突き放した。「1日のニューイヤー駅伝も調子が悪くて(7区=15・5㌔=51分30秒)、きょうも本調子とは言えなかったし、途中から風が強くてペースを維持できなかった」と満足できるレースではなかったが、それでも格の違いを見せつけて1時間11分51秒。2位の川下和明さん(39=JF郷ノ浦)に2分3秒の大差をつけた。
「川下さんは昔から目標にしていた偉大な先輩で、今年は壱岐ウルトラマラソンでも優勝している。5年前も僅差(10秒差)だったのでレースでは意識していたが、2年連続でニューイヤー駅伝を走ってきたのだから、ここでは負けられないという思いもあった」と胸を張った。5年ぶりに走った地元・壱岐のコースは「厳しいアップダウンと強い風で自然そのもの。佐賀にはないコースで自分自身との戦いだった。この経験を活かして、来年のニューイヤー駅伝ではチームを目標の30位(今年は36位)に導きたい」と目標を語った。
昨年の壱岐ウルトラマラソンで地元勢初優勝を飾り、新春マラソンハーフで2年連続7度目の優勝を狙った川下さんは1時間13分54秒で2位。「今年は川谷さんが走ると聞いて、優勝は難しいだろうなと思っていたが、やはり強かった。さすがです。自身の走りも15㌔くらいまでは良かったが、風も強くてその後は体が動かなくなってしまった。昨年よりも1分ほど遅いタイムは、ウルトラマラソンの練習でスピードよりも持久力を強化していたことが影響したのかもしれない」と振り返った。
ハーフのスタート前には小学2年、4年のファミリー1㌔で蒼希さん、愛羽さんと走り、ともに3分台をマーク。カテゴリー最高齢の39歳を迎えてもタフネスぶりは衰え知らずで、その存在感を存分に見せつけた。
小田さんが連覇。ハーフ女子
ハーフ一般女子は山口県下関市から出場した市民ランナーの小田育美さん(27=会社員)が1時間23分26秒で、昨年に続き連覇を果たした。「連覇を目指していたので優勝できたことはめちゃくちゃ嬉しい。風が強かったのでタイムは昨年(1時間22分04秒)よりも遅れたが、優勝を狙って優勝できたという点で自信がついた」と満面の笑顔を見せた。
昨年のこの大会がハーフ初挑戦だったが、その後はフルマラソン2回を経験して3時間9分を記録。ハーフマラソンでも1時間21分29秒とベスト記録を更新している。「2月17日の熊本城マラソンではサブスリー(フルマラソン3時間以内の走破)を狙いたい」と長距離ランナーとしてさらに一段階上を目指している。