4月から大島本校に統合される三島小学校原島分校(大堀隆智校長、5人)と長島分校(同校長、8人)の閉校式が21日、両分校で行われ、児童、教員、保護者、地域住民らが思い出の校舎に別れを告げた。昭和39年(1964年)に三島小学校が設立されて以来、今年度末までに原島分校は計165人、長島分校は計189人の卒業生を送り出し、51年の歴史に幕を下ろす。。
原島分校の閉校式では思わぬハプニングがあった。5人の児童全員がインフルエンザに罹患して式を欠席。児童が行うはずだった、原島分校の歴史を振り返るスライドを映写しながらの朗読ができなくなった。式前日夕方になって判明し、代わって保護者6人が朗読を行うことになったが、自らも同分校卒業生である保護者たちの涙をこらえながらの朗読は、来場者を感動させた。
大堀校長は「急きょのお願いを快く引き受けてくれた保護者の方々の姿に、原島魂、その団結力の強さを見た。統合にあたっては保護者、地域の方々と何度も何度も話し合った。もう少し待ってという声、立派な体育館・プール・給食センターのある原島が本校になれば、という声もあったが、教室数の問題などもあり、子どもたちのために1日でも早く統合するという判断となった。児童にも、保護者にも『統合して良かった』と思ってもらえるように、我々も団結力で頑張っていく」と誓った。
長島分校でも児童2人がインフルエンザで欠席したが、6人が元気に長島太鼓を披露したり、「長島分校の歌」などを合唱して、閉校式を明るく前向きなものにした。
両分校で唯1人の6年生で最後の卒業生となる高山拓巳さんは「デイキャンプですすまみれになって飯ごうでご飯を炊いたり、夜の学校で肝試しをしたのが一番の思い出。分校がなくなってしまうのは寂しいが、中学生になっても思い出は残る。まだ実感が沸いてこないが、いつか母校がなくなる重大さに気がつくと思う。その時に誇りを持って『長島分校の卒業生です』と言いたい」と胸を張った。
5年生の徳島靖峻さんは「長島分校の卒業生になりたかったけれど仕方がない。ここで過ごした楽しい思い出を大島でも実現できるように頑張る。とても有意義な5年間だった」と振り返った。
統廃合は児童にとって環境の変化、船や珊瑚大橋を通っての通学など、精神的・肉体的に負担はあるが、大島で4学級16人が同じ校舎で過ごすことのメリットも大きい。友人が増え、より充実した授業を受けられることはもちろんだが、バレーボールチームはよりコミュニケーションを増すことができる。
三島小女子バレーボールチームは、1月31日に行われた市新人大会で、部員数8人、低学年もメンバーに入るハンデを克服して、見事に創部以来初優勝を果たした。28日と3月1日に大村市で行われる県新人大会に出場を決めている。男子は惜しくも優勝は逃したが、過去には県大会出場がある強豪で、「バレーボールの三島小」がより成長する可能性がある。
4月以降は、平成24年に完成したばかりの原島分校体育館を使用して練習することも検討されており、実現すれば分校跡にまた児童の明るい声が戻ってくる。