壱岐市は庁舎建設問題で市民の気持ちを本気で知りたいと思っているのだろうか。そんな疑問も沸いてきた。
「壱岐市庁舎建設についてのご意見」(アンケート調査ご回答のお願い)の用紙が各自治公民館から全世帯に配られ、その回答期限が18日に迫ってきた。だが回答を促す市からのアナウンスはまったく行われていない。すっかり忘れて回答用紙を埋もれさせてしまっている人が多いのではないだろうか。
市ホームページに庁舎建設基本構想(案)全文が掲載されていると書かれているが、7月7日現在、トップページを見てもそのような文字、バナーはまったく見当たらない。「市政情報」「壱岐市庁舎建設検討委員会」と辿っていかなければ見つけられない。しかもこのアンケートに関しての記述はない。
自治公民館が回答を促すこともないし、防災無線放送でのお知らせもない。単身である私の自宅には回答用紙が2枚配られているが、「用紙の不足分は、コピーまたは任意の用紙にご記入いただいても結構です」と記載されており、無記名なので1人で何枚でも回答することが可能。年齢制限もなく、幼児でも可能ということになる。
「建設した方が良い」「建設しない方が良い」の二者択一の回答で、その理由と基本構想(案)についての意見を自由筆記させているが、このような方法は社会調査の手法からは大きく外れている。賛否の理由についてはできるだけ多くの選択肢を用意して、そこから複数選択、または最重要項目選択などで選んでもらうことが、集計を行なう上でも基本中の基本である。
そんな選択肢もなしに回収して、誰が、どのような手法で集計を行い、その結果からどう論を導き出すのか、まったく意味不明としか言いようがない。
このアンケートが配布されている最中に、市議会には庁舎建設検討特別委員会が設置された。アンケートや基本構想(案)は無視する形で、白紙から庁舎建設について論じるのだという。一体、市民はどこに気持ちを託せばいいのだろうか。