社説

明石市長問題で考えること。

市職員に対しての暴言で辞職した兵庫県明石市の泉房穂前市長の話題がテレビのワイドショーで大きく取り上げられ、ネットでも様々な意見が噴出している。辞職が適切だったのか、4月の市長選への出馬をどうするのか、それは明石市民が決めることだろうが、いろいろと考えさせられる話題ではある。

マスコミ関係者から見ると、流出した音声が一部だけを切り取られたものであったことは、報道の公正さを欠くものだったと思う。失言、間違い、言葉尻の揚げ足取りはマスコミの得意技ではあるが、そのようなことばかりしているから、政治家は当たり障りのない発言ばかりをするようになってきた。マスコミの最も重要な役割は、発言の真意を読み取り、伝えることではないだろうか。

録音された暴言は確かにひどいものであったが、「火をつけてこい」を本気にとらえた職員はいなかっただろう。「死ぬ気でやれ」と言われて、本当に命を懸けるケースはゼロではなくても、ほぼないのと同様だ。市民の安全を確保するために市職員を厳しく叱責する様子には擁護論もある。あるタレントが「暴言だけで辞めさせてしまったら、みんな65点くらいのリーダーになってしまう」と辞職を惜しむコメントをしていた。それも一理あるように思える。一方で、人の人格はその言動に現れるのも確かだ。本心ではなくても「火をつけてこい」と発言する人がリーダーでは、自治体として恥ずかしい。

誰から見ても人格者であり、しかも強力なリーダーシップで組織を引っ張っていく人物など、そうそう居るものではない。当たり障りのない良い人か、かなり個性が強くてもグイグイと引っ張っていく人か、どちらをリーダーとして選ぶべきなのか、判断が難しいことが多い。統一地方選挙の19年は、参院選、県議選が実施される。衆院選もあるかもしれない。来年には市長選、市議補選も行われる。しっかりと本質を見極めながら、報道、そして投票をしたい。

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