第8回市庁舎建設検討委員会が17日に開かれた。会議後に文化ホールで行われた会議内容説明会で菊森淳文会長は、新庁舎建設場所、現庁舎の活用方法、壱岐振興局との執務室共用化の現状分析の3点について話し合ったことを発表した。また市長への答申は当初、3月末までに行う予定だったが、「極力、年度内に行いたいが、議論の成り行きによっては確定的ではない」と新年度に持ち越される可能性も示唆した。
注目される建設場所は、昨年11月の第7回委員会で委員から候補として挙げられた7か所(郷ノ浦町・品川病院バス停付近、市民病院北側付近、大谷公園ゲートボール場付近、柳田小学校、勝本町・立石東触亀石地区、芦辺町・那賀中学校跡地付近、ダイエー壱岐店横敷地)について、それぞれ面積、防災機能、財政面の条件面で適しているかどうかを○△×の3段階で評価を行った。その評価については「現時点では発表はできない」とした。
この7か所から評価によって絞り込みを行い、数か所を候補地として答申する方針だが、何か所に絞り込むかについても「様々な視点から議論を行い、今後詰めていく」とした。菊森会長は前回の委員会後に「次回は今回までの検討結果を集約し、最終提言書の取りまとめを行いたい」と話していたが、その予定より進行が遅れることになった。
現庁舎の活用については、他の自治体の事例を参考に検討を行っているが、全国的にも市町村合併などで空いた旧庁舎を有効に活用しているレイは極めて少ない。規模の小さな事務所は地区センターなどに活用することが比較的有効な活用方法だと考えられ、委員による視察も始められた。「今回は時間の都合で2か所のみを視察した。残りは次回に行いたい」と初山、志原事務所の視察を行った。初山事務所について菊森会長は自身のブログで「高台にあり、美しい海が見え、大学等の合宿施設に衣替えする方法もあると思う」と記している。
壱岐振興局との執務室の一部共同化は、委員から提案があり、今回からその可能性について検討を始めた。「行政の効率的な運用と、県民、市民サービスの向上」が目的で、壱岐市では石田庁舎2階に振興局農林整備課、水産課、壱岐水産業普及指導センターが昨年3月から移転され執務室の一部共同化が実施されている。だが県の出先機関すべてが市役所と共同化されている例は全国的にも少なく、コスト負担の面、新庁舎建設計画の一部見直しなど、今後検討課題が多い。
菊森会長は「委員会では、現在の壱岐振興局の敷地の活用は想定していない」としている。