社説

壱岐土産にかんぼこ開発を。

9月27~29日に行われた「壱岐トライアル逆参勤交代」で、首都圏に勤務する10人が壱岐でのリゾートワーク環境を下見し、様々な提言を行った。わずか2泊3日の研修だったが、参加者は丸の内プラチナ大学に通い、地方創生などに高い関心を持つ人たちだけに、その提案・提言の多くは実に的を得ていた。地方創生に取り組む大手企業やコンサルタント会社の企画よりも、実効性の高いものだったようにも思えた。物事を俯瞰(ふかん)することの重要さを教えられた思いだ。

同じよそ者として「まさに同感だ」と思ったのが「壱岐にはお土産がない」という提言だった。あふれるほどの観光資源とグルメにあふれた島だが、旅行者が「壱岐らしいお土産を買って帰ろう」と思った時に、選べるものがごく少ない。もっとも壱岐らしい商品としては壱岐焼酎があるが、土産にするには重くてかさばる。生ものは土産には向かないし、菓子類にも「これぞ、壱岐」と思えるものが少ない。研修参加者は「会社の仲間に小分けできる、壱岐らしい土産の開発を、市がコンテストを開催するなどして開発してはどうか」と提言したが、まさにその通りだと思う。

これは県全体でも言えることで、県観光審議会でも同様の意見が交わされた。その時に県観光振興課から出されたアイデアの一つが「各市町が自慢のかんぼこ(かまぼこ)を創作し、土産の目玉にしては」というものだった。県はすぐに動き、その第1弾として7~10日に日本橋長崎館で「長崎かんぼこフェア」を開催している。タレントの松尾悠花さんを長崎かんぼこ王国親善大使に任命し、全国へ情報発信していく考えだ。

せっかくの県の取り組みに、壱岐も相乗りしていくべきだ。市内の水産加工場だけでなく、壱岐の漁村で古くから伝わるかんぼこを、コンテスト形式で募集して発掘し、「壱岐のかんぼこ」商品のラインナップを整えれば、土産物としても最適な商品になるのではないだろうか。

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