文化・芸術

梅屋トクと庄吉、孫文の物語 劇団未来座・壱岐第13回定期公演

劇団未来座・壱岐の第13回定期公演「あの海を越えた愛」~梅屋トク物語~が3月22日、一支国博物館多目的ホールで開催され、2回の公演とも満員の大盛況となった。
父が平戸藩士の香椎トクは明治8年に現在の勝本町塩谷で生まれた。17歳の時に長崎の梅屋商店の養女となり、同じく養子の庄吉と結婚。庄吉は中国近代化の先駆者・孫文の辛亥革命を私財を投げ打って支援する破天荒な性格だった。トクは深い愛情で孫文と妻の宋慶齡の生活を支え、夫婦で孫文の革命を支援した。劇はそんなトクと庄吉、そして孫文らの人間模様、トクのアジアを舞台に奔走した女丈夫ぶりを描いたもので、小坂文乃さんの著作「革命をプロデュースした日本人」(講談社)を参考文献として、高谷信之さんが脚本、堀川真穂さんが演出を担当した。
上演後に小坂さんが「庄吉とトクの曾孫にあたる小坂文乃です。未来座の皆様のすごい熱演に目頭が熱くなりました。特にトクさん、まるで目の前にトクさんが生まれ変わって現れたみたいにそっくりで。孫文さんもそっくりで、よくぞここまでそっくりの役者さんがいたものだと驚きました。衣装やヘアメイクも素晴らしかったです」と観劇の感想を述べた。
トク役を務めた植松美砂さん(32)は「私自身が平戸市出身で、演出の堀川さんから平戸藩出身のトクはぜひあなたにやってもらいたいと言われて務めることになった。顔も似ていると言われて、不思議な縁を感じるし、よりトク役に深い思い入れを抱くようになった。怒涛の日々の中、庄吉と離れて暮らしている時にも夫を信じて、他人の目を気にせずに毅然として庄吉を奮い立たせていく強さや自信を表現したいと思い演じた。自分のできることは全部してあげたいというトクの大きさを、観てくださったお客様に感じてもらえたら嬉しい」と話した。

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