市は2月26日、市表彰条例の規定に基づき、2020年度に芸術、文化、技能、スポーツの分野で功績があった個人、団体に対して市長特別表彰を行った。本年度は各種全国大会などがコロナの影響で中止となったため、受賞者はスポーツ分野の竹下紘夢さん(郷ノ浦中3年)1人だけとなった。
竹下さんは昨年10月16~18日に神奈川・日産スタジアムで開かれたJOCジュニアオリンピックカップ全国中学生陸上競技大会男子四百㍍決勝で、県中学新記録の49秒39をマークして準優勝した。また全日本中学校通信陸上競技大会(今年度はリモートでの開催)の男子四百㍍ランキングでも、対象大会の49秒76が全国1位となった。竹下さんの市長特別表彰受賞は渡良小6年時、昨年に続いて2年連続3回目となった。
白川博一市長は「各種の大会が中止になったことで表彰は1人になってしまったが、開催されていれば全国レベルの活躍ができた人が多くいたと思っている。その中で竹下さんは、小学5年時から毎年活躍を続け、しかも進化を続けていることに驚いている。コロナ禍で練習環境、体調管理など難しさがあったと思うが、見事に全国準優勝の成績を残したことはすごい。勇気、元気、感謝の気持ちを市民に与えてくれた」と栄誉を称えた。
また今後について「地元の壱岐高校に進学してくれると聞いている。多くの学校から誘いがあったと思うが、地元を選んでくれたことを嬉しく思う。大きな目標が近くにいることで、竹下さんの背中を追う後輩たちが育ってくる。力強い存在になる」と竹下さんが地元に残る意向を示していることに感謝の気持ちを述べた。
竹下さんは「まさか今年も表彰して頂けるとは思っていなかった。支えてくれた人たちに感謝したい。壱岐高校を進学希望としたのは、これまでの環境の中で陸上競技を続けたいと思ったからだった。この壱岐の環境が自分には合っている。多くの誘いは頂いたが、壱岐の人たちとともに切磋琢磨していきたい」と壱岐高校進学の思いを語った。
本土の陸上強豪校と比べると設備面で見劣る部分もあるが、竹下さんは「400㍍タータン走路が利用できない高校は、他にもいくらでもある。ハンデになることはない。高校での目標は県高校記録
(46秒81=17年長崎南山・松尾脩平)を破り、中学では果たせなかった全国制覇を実現すること。まず今年は47秒台を出して、インターハイ決勝に残ることを目標にする」と力強く宣言した。
壱岐高校合格発表は3月17日に行われる。
父・真一郎さん(前列右)ら記念撮影