県中学総体の第60回男子駅伝競走大会(6区間20㌔=1・6区4㌔、2~5区3㌔)と第35回女子同大会(5区間12㌔=1・5区3㌔、2~4区2㌔)が8日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎と周辺ジョギングコースで行われ、男女とも32校が出場した。
女子の郷ノ浦は、3年生の強豪が揃う1区で1年生の野村夏希が区間8位と健闘した。八百㍍でジュニアオリンピックに出場した野村は「個人競技と違い、タスキの重さを感じる駅伝はすごいプレッシャーで緊張した。速い人がいてびびりそうだったが、相手を気にせず自分の走りに徹した。みんなの声援が背中を押してくれた」と初の中学駅伝県大会でも持てる力を発揮した。2区山口凜(3年)も区間8位で総合6位に順位を上げた。山口は「ラスト500㍍のところにメンバーがいて、励ましてもらった。そこからラストスパートをかけて順位を上げられて良かった」と笑顔を見せた。
3区山内菜々子(2年)は区間12位ながら総合順位を5位まで上げ、4区末永笑愛(3年)は区間4位の快走。アンカーの德島美羽(3年)も区間9位と粘った。総合順位は7位で昨年の6位を下回ったが、タイムは昨年を13秒上回った。德島は「1~4区が上位でつないでくれた。目標の九州大会出場には届かなかったし、私が抜かれてしまい入賞を逃したのは悔しいが、最後の大会で全力を出し切れた。3年間、練習はきつかったが、最後にみんなとハイタッチをして、楽しく終えることができた」と充実した表情を浮かべた。
女子の芦辺は故障を抱えながら出走した1区田中咲蘭(2年)が区間20位と出遅れたものの、徐々に盛り返して、最後はアンカーの大井陽香里(3年)が4人抜きで総合14位になった。田中は「練習ができておらず、きつかった。それでも全部を振り絞って走った」と悔しさを表したが、大井は「見える範囲の選手は全部抜いた。みんなでカバーし合えて、良い大会だった。記録が伸びずに悩んでいる時も、田中さんをはじめ仲間がいたからここまで走ってこられた」とすべてをやりきった充実感にあふれていた。
男子の勝本は2区の1年生原田航汰が区間4位で5人抜きの快走を見せた。原田は「自分にとっては初めての中学駅伝県大会だが、3年生にとってはこれが最後の大会だから、力が入った。いつもなら一度抜かれたらあきらめてしまいがちだったのに、きょうは抜き返すことができた」と3区以降の4人の3年生への思いを込めながら貴重な1秒ずつを必死にけずった。県大会初出場だった5区辻圭人(3年)は区間5位、アンカー下條豊祈(3年)は2人抜きで順位を上げて、総合10位。昨年の6位からは下がったものの、昨年のタイムとは9秒差と意地を見せた。男子の芦辺はスタートから波に乗れず、総合21位だった。